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欧州委員会、新規加盟国の農村開発政策予算を決定


総額は57億6千万ユーロ
 欧州委員会は1月14日、本年5月に加盟が予定されている新規加盟国における、農村
開発政策に関する予算額を決定したと公表した。欧州委員会の資料によれば、その概要
は以下のとおり。

  総額は57億6千万ユーロ(7,776億円、1ユーロ=135円)、実施期間は2004年から
2006年の3年間であり、この予算の各新規加盟国への配分は「加盟条約(the Act of 
Accession)」に基づいて行われる。今回の額の決定は、従来1999年の価格に基づいて
定められていた農村開発政策予算(総額51億1千万ユーロ(6,899億円))を、現時点
での価格に基づいて再計算したものである。

  加盟国後、農村開発政策の幅広い分野の措置が、EUにおける農業政策実施のための
基金である欧州農業指導保証基金(FAGGF)の保証部門から助成(最大で80%)さ
れる。

 

助成対象となる措置の概要
 
・ 早期離農措置
・ 条件不利地域または環境制約地域への支援対策
・ 農業・環境プログラム
・ 農地における植林
・ 半自給的農家への特別対策
・ 農家の組織化
・ 技術的支援
・ EU基準に適合させるための特別対策
・ 食品品質(food quality)対策
 
  なお、マルタにおいては、専業的な農家(full-time farmer)が市場環境の変化に
適応することを支援するための一時的な収入確保支援計画が実施される。



農村開発政策の年間予算額(2004年〜2006年)




◎ 欧州委員会、環境規則の順守を要求
 
 欧州委員会は1月13日、ドイツに対し、加盟国がEUの法令に各国が従わない場合
に欧州委員会が行う措置の一つである「第2回警告文書」を発送した。これは、EU
の硝酸塩指令が、農地へのたい肥等の散布量を1ヘクタール当たり170キログラム以
下と規定しているにもかかわらず、ドイツの国内法は、その上限を同210キログラム
としていることなどから、欧州委員会は当該法律の改正を求めていた。しかし、未だ
改正がなされていないため、欧州委員会は、「文書」の発送を行ったものである。ま
た、欧州委員会は同日、フランスなどの他の8加盟国に対して、それぞれの国の国内
法がEUの汚水処理指令など環境に関する規則を順守していないことから、「第2回
警告文書」の発送や欧州裁判所への提訴を決めた。
 
  EUの法令に各国が従わない場合の欧州委員会が行う手順は、まず、法的手続きを
とる旨の公式警告文書を発送し、一定期間(通常2カ月)内に当該国に意見を求める。
その返答に照らし(返答の無い場合も含む)、さらに、なぜ法令違反と考えられるか
を明確にした「第2回警告文書」を発送し、一定期間(通常2カ月)内に当該国に法
令順守を求める。それでも、なお従わない場合には、欧州裁判所に提訴することとな
る。

【ブリュッセル駐在員 関 将弘 平成16年1月14日発】

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