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2004年農業・農村開発計画を公表(ベトナム)


農業・農村開発計画を公表

  ベトナム農業・農村開発省(MARD)は、2004年の農業・農村開発計画および2004年から
2005年の達成目標について発表した。2004年の生産目標は農産品全体で前年比4.6%増、穀
物生産量が3,730万トン、うち米が3,450万トン(うち400万トンが輸出仕向け)、トウモロ
コシが280万トンとなっている。食肉生産量は、全体で250万トンの目標数値を設定してい
る。豚肉は近年の経済成長を反映して順調に国内消費を伸ばしており、数十頭規模の中小農
家をモデル農場事業により数百頭規模拡大するとしている。牛肉はレッドシンディ種などの
血統を導入することで肉質改善を図るとしている。 

  また農村開発目標として、特に輸出を念頭に置いた農産物加工品生産の拡充により百万人
の農業従事者を製造業にシフトさせるなど、貧困世帯率を11%まで削減するとしている。

  
 
1990年以降、畜産分野は伸展

  MARDの公表による1990年以降の畜産状況を見ると、飼養頭数は重点開発政策を掲げてい
る乳用牛頭数が1990年と2002年の比較で約5倍、鶏、豚が約2倍とそれに続く(表1参照)。
生産量では生体重換算で豚肉が2.3倍で、食肉消費全体の約8割を占める。その他鶏肉(表
では家きん肉)が2倍、牛肉(水牛含む)が1.4倍、鶏卵が2.4倍となっている。中でもフ
レッシュミルクの生産量の伸びがめざましく、約8.4倍となっている。





  一方、国民1人当たりの消費の伸びは1990年との比較で2002年は生体重換算食肉消費量
で15.2キログラムから26.9キログラムへ、鶏卵が29個から57個に伸びている。フレッシュ
ミルクは0.14キログラムから0.98キログラムとなっている。



鳥インフルエンザ発生の影響

  昨年12月に発生した鳥インフルエンザ対策として、同国では発生地域での撲滅対策、未
発生地域へのまん延防止対策、制圧後の速やかな養鶏産業立て直しのための種鶏確保・初
生ひな供給確保対策などの対策措置を講じ始めている。

  同国では全国57省・市の2,539万羽がり患しているとされ、2月9日までに家きんの総
飼養羽数2億3,300万羽のうち3,540万羽がへい死又は撲滅対策として殺処分された。

  また、2月16日に発表された世界銀行による被害の試算額は、殺処分した場合で総額
6億9,000万ドル(759億円:1ドル=110円)に上るとされ、これは同国GDPの1.8%に達
するとされた。

  政府は同疾病の制圧状況にかんがみ、3月上旬に撲滅宣言を発表する予定であるとして
いる。ハノイやホーチミン市内などでは現在家きんの売買が禁止されており、この撲滅宣
言の発表後、市場取引の再開が許可されることになるとされている。

  また、人民評議会の発表によると、ホーチミン市での鶏肉販売の再開は3月5日以降に
なるとされる。

  鳥インフルエンザの影響で、豚肉および牛肉への代替需要が生じており、牛肉価格はラ
ンプキログラム当たり、12月末までは5万5千ドン(385円、1,000ドン=7円)で安定
していたのに対し、2月18日の価格は7万ドン(490円)まで上昇している(ハノイ市内。
ホーチミン市では、同4万5千ドン(315円)→8万ドン(560円))。豚肉価格(ランプ)
1キログラム当たり)はハノイ市内では昨年の2万4千ドン(168円)から3万4千ドン
(238円)へ上昇しているものの、ホーチミン市では逆に2万9千ドン(203円)から2万
8千ドン(196円)へ下落している。




 
【シンガポール駐在員 木田 秀一郎 平成16年3月3日発】 

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