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新たに13社がランクイン 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)はこのほど、2003年の肉牛生産者上位25社を発表した。今回の発 表は2001年に続くもので、干ばつの影響や規模拡大による生産力の強化などを背景に肉牛生産者間での合 併、買収が進んだことから、新たに13社がランクインした。 順位は、前回の発表と同様、推定枝肉重量を基に換算した出荷頭数に基づき企業単位で算出しており、 今回は20社から25社へと調査対象が拡大された。 上位25社の生産規模をみると、全体の飼養面積は5,760万ヘクタール(日本の総面積の約1.5倍)、飼養 頭数は247万頭となり、出荷重量では2003年の豪州全体の10%を占め、豪州の肉牛生産の潜在的能力を読 み取れるものといえる。 上位陣の顔ぶれは変わらず 上位陣の顔ぶれに大きな変化はないが、オーストラリアン・アグリカルチャル・カンパニー社が前回の 2位から前回1位のスタンブローク・パストラル社を抜いて1位となった。この2社の合計出荷重量は、 豪州全体の年間牛肉生産量の3.4%、上位25社全体の40%をそれぞれ占めることから、その規模の大きさ がうかがえる。また、クインズランド州を主体とするMDH社が、生体牛輸出や国内向け出荷を中心に出 荷頭数を伸ばしランク外から8位に登場した。 合併、買収により強化を図る下位グループ 今回の特徴としては、干ばつの影響により全体的に飼養頭数が減少する中で、従来の粗放牧や生体輸出 を中心とした生産体系から穀物飼育の導入など戦略の多様化、規模の拡大化を図ってきた大手肉牛生産者 にとっては、そのペースが、若干、足踏みする事態となった。 一方では、下位グループの肉牛生産者を中心に、総飼養頭数、飼養面積はいずれも拡大傾向で推移して おり、これら肉牛生産者を中心とした規模拡大による生産力の強化、生産体系の多様化を目指した合併、 買収が大きく進んでいることがうかがえる。
【シドニー駐在員 横田 徹 平成16年9月28日発】
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