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畜産の収益性が大豆を逆転(アルゼンチン)


  
生体価格上昇が生産コスト上昇分を相殺 

  アルゼンチン食肉商工会議所(CICCRA)のレポートによると、ここ数年続いていた大豆生産の有利
性に陰りが見られ、今年に入ってからは畜産の収益性が大豆を上回る傾向が続いている。

  リニエルス市場における去勢牛の生体価格(ドル建て)は前年同期比8.5%高となっている。この
背景には国内の牛肉需要の回復や国際市場への輸出増があり、また、牧草地が大豆栽培への転換から
肥よく度の低い土地へ移転したことや昨年の干ばつにより牧草不足となり、農家が早期出荷を行った
ことにより、生産コストが抑えられ、このため繁殖および肥育農家の収益性は安定し、飼料等コスト
の上昇分を十分に相殺している。



と畜頭数が前年同期を上回る

  国内市場、輸出市場ともに好調が続いているが、現在の生体価格の上昇が小売価格に反映されると、
2003年から続いている国内消費の回復が鈍る可能性も見込まれる。2004年1〜7月の1人当たり牛肉
消費量は前年同期比6.5%増の63.1キログラムとなっている。    

  2004年1〜7月までのと畜頭数は、前年同期比17.0%増の806万頭となった。子牛、若齢去勢牛、未
経産牛が多く、全と畜頭数の50.8%を占めている。このため、平均と畜重量は前年同期を2.3%下回
った。また、雌子牛、未経産牛、繁殖雌牛のと畜も増加している。通常、全体に占める割合は42〜43
%程度のところ、7月までの累計で見ると、46.3%となり、96年同期の48.3%に次ぐ水準となってい
る。当時は、干ばつなどの天候要因や穀物価格の高騰、肉牛生産から穀物生産への転換が増加したこ
と−などの影響を受け、と畜頭数が増加した。

 なお今後、良好な収益性を見込んで雌牛の保留が進み、飼養頭数が増加することも予想される。


  
大豆の収益性は低下

  一方、大豆については、中国の需要低迷、石油価格の高騰などによる主要市場への輸送コストの上
昇、米国の大豆生産量の増加が見込まれていることなどから、国際価格が、3月23日に1トン当たり
249ドル(27,390円、1ドル=110円)をピークに下落しており、9月は約30%安の165〜175ドル(18,150
〜19,250円)の幅で変動している。

  また、中国からの生産資材(肥料、農薬など)輸入量の減少による国産価格の上昇、土壌養分の減
少による肥料などの使用量の増加などから大豆の生産コストは上昇しており、2003年10月の1ヘクタ
ール当たり164.9ドル(18,139円)から、2004年8月には同217.6ドル(23,936円)と25.6%の上昇と
なっている。こうした大豆価格の下落および生産コストの上昇により、今年1〜8月の間に大豆の収益
性は60.8%減少し、国際的な市況低迷の影響を受けた99年の平均とほぼ同水準まで低下している。










【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成16年10月20日】 


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