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ITC、加産生体豚などへの相殺関税問題でシロ裁定


ITCは米国豚生産者への侵害を否定

  米国際貿易委員会(ITC)は4月6日、カナダから輸入される生体豚に対するアンチダンピングと、同国の養豚
生産関連の助成措置に対する相殺関税問題について投票を行った。投票の結果は5対0で、カナダ産の生体豚が米国
内で安価に販売されたことにより、実質的な侵害を米国の豚生産者は受けていないとの決定をITCは行った。

 本件については、2004年3月5日に全国豚肉生産者協議会(NPPC)がITCおよび米国商務省(DOC)に対
し調査を申請し、DOCは同年8月および本年3月にカナダの豚肉生産者は相殺関税の対象となる補助金を受け取っ
ていないとの調査結果を公表していた。このため、今回のITCの決定により相殺関税の賦課は一切行われないこと
が確定したこととなる。



NPPCはITCの決定に落胆 

  NPPCは6日、「米国の何千もの豚肉生産者は、不当廉売によるカナダの生体豚が米国市場に洪水のように流入
することにより、経済的な侵害を受けてきた。カナダの豚肉生産者は、米国の生産者と比べて、連邦政府や州政府に
よる豊富な補助金により不当に有利となっている。われわれは北米の豚肉産業の中で米国の豚肉生産者が同じ土俵で
競争するための手段を検討している」との声明を公表した。

 また、同じ記者発表においてNPPCは、豚肉生産者のための輸出市場の開放・拡大や不公正な競争からの保護と
いう貿易政策課題を積極的に追求していくとし、目下の関心は米・中米自由貿易協定(CAFTA−DR)であると
している。全体としての利益の追求が豚肉生産者に貢献することは事実であるが、あえてCAFTA−DRに言及し
たのは、長年のNPPCの重要課題の一つであった本件に完全に敗退したために、会員の目を新たな課題に向けよう
としたとも考えられる。



カナダの生産者はITCの決定を歓迎

  カナダ豚肉協議会は6日、「本日はわれわれの業界にとって歓迎すべき日となった。われわれはITCの決定を非
常に歓迎している。われわれが米国の業界を侵害しているとのNPPCによる根拠のない申し立てを却下してきた。
カナダの生体豚は北米の統合された業界のと畜・加工の原料として南に移動しているにすぎない」との声明を公表し
た。



◎NPPCは抗菌剤の使用制限に反対

  米国公衆衛生協会などは4月7日、米国食品医薬品局(FDA)に対しペニシリン、テトラサイクリン、マクロラ
イド、リンコサミド、ストレプトグラミン、アミノグリコシド、スルファニルアミド(サルファ剤)の7種類の抗菌
剤を非常に重要な抗菌剤として指定するよう要請した。具体的には、2年以内にFDAが当該抗菌剤の使用が公衆衛
生に影響を及ぼす耐性菌の出現に寄与しないと結論付けない限り、当該薬品の飼料添加剤としての使用を段階的に削
減させていくよう求めている。

 NPPCは4月12日、「このような試みは、FDAにおける最近の厳格かつ科学に基づいた規制の制定を無視する
ものである。われわれは、米国の家畜衛生を保護するための抗菌剤の安全性と有効性を保証するFDAの厳格なプロ
セスに従っている。公衆衛生および家畜衛生の専門家による小委員会が2004年に公開した報告によると、動物におけ
る抗菌剤の使用が公衆衛生に深刻な影響を与えてきたことはほとんど無いとされている。欧州における抗菌剤の使用
禁止は、公衆衛生の改善という目標に合致した結果を得ることができていない」と規制の強化に反対する声明を公表
した。

 
【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成17年4月12日発】


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