ALIC/WEEKLY


高水準を維持する2004年のフィードロット飼養頭数(豪州)


12月末の飼養頭数、前年同期比15%増

  豪州フィードロット協会(ALFA)は1月31日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同
調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。これによると、2004年12
月末時点の総飼養頭数は75万2千頭と、過去最高の飼養頭数となった前回調査(2004年9月末時点)
に次いで75万頭台を記録し、引き続き高水準を維持している。





  例年、この時期のフィードロット飼養頭数は、主要輸出先である日本の年末需要が一段落すること
などから減少傾向になるが、現在のアジア各国での堅調な牛肉需要を反映し、全体では前回調査比1
%減と小幅な減少にとどまった。フィードロット飼養頭数を州別にみると、フィードロットが集中す
るクインズランド(QLD)州やニューサウスウェールズ(NSW)州など東部地区での落ち込みが
例年に比べて少ない中で、西オーストラリア(WA)州やビクトリア(VIC)州、南オーストラリ
ア(SA)など南部地域での増加が目立っている。これは、南部一帯での穀物収穫がこの時期にピー
クを迎えたことから、飼料向けとなる穀物価格が東部地域に比べて相対的に安かったことが頭数増加
の一因とみられている。

  ALFAでは、今回の調査結果について予想範囲内の数値であるとし、フィードロット経営にとっ
て、豪州産牛肉に対するアジア市場の需要が、安定的かつ大きな利益をもたらしているという結果を
的確に表したものとしている。



日本向けは高水準を維持、韓国向けも過去最高水準に

  飼養頭数を仕向け先別にみると、輸出向け飼養頭数は49万9千頭でフィードロット全体の66%とな
り前年同期比5ポイントの上昇となった。一方、国内向けは24万2千頭で同32%と6ポイント減少し
た。

  輸出先別では、日本向けが42万7千頭と過去最大となった前回調査に次ぐ44万頭を記録し、韓国向
けも前年同期比42%増の3万5千頭と過去最高水準となった。

  また、フィードロットの収容可能頭数は、全体で96万6千頭と前年同期比で7%増加し、稼働率は
NSW州での84%を筆頭に全体的に上昇傾向となり、平均稼働率も78%に達するなど前年同期に比べ
6ポイント向上した。




豪州産牛肉への需要は堅調との見方も

 2004年のと畜頭数が前年度同期比28%増の224万頭と過去最高を記録するなど、好調な輸出需要を
背景にフィードロット飼養頭数は増加傾向で推移している。一方、国内では、素牛価格の上昇を視野
に入れた生産者の出荷抑制の動きや、生産コストの上昇に伴う輸出価格への転嫁など、アジア各国で
の米国産牛肉の輸入再開時期をにらみ、豪州産牛肉の輸出拡大に対する課題も出てきている。

 ALFAでは、アジア諸国での米国産牛肉の輸入停止措置が豪州産牛肉の輸出拡大に大きく寄与し
ていることは理解しているとした上で、もし、これら国々で今年後半に米国産牛肉の輸入が再開され
たとしても、豪州産穀物肥育牛肉はすでに各国市場に深く入り込んでいることから、豪州産穀物肥育
牛肉に対する需要は引き続き堅調であるとみている。


【シドニー駐在員 横田 徹 平成17年2月2日発】 
 
 
 

元のページに戻る