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肉牛取引価格、キログラム当たり400豪セント台に 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が7月20日に発表した最新の肉牛市場取引価格によると、東部地区若齢牛 指標価格(EYCI)は、市場への出荷頭数減少を受けて上昇を続け、19日には前週より2.5%高の1キログラム 当たり404豪セント(347円:1豪セント=0.86円、枝肉重量ベース)と、2004年9月に記録した同398豪セント (342円)を上回る過去最高水準の高値となった。 EYCIは、肉牛の主産地であるクイーンズランド、ニューサウスウェールズ、ビクトリア各州の市場取引価格 を参考に算出されており、肉牛取引価格の指標となっている。 MLAでは、価格上昇の要因について、肉牛供給頭数の減少と高まる肉牛需要を挙げており、このことが価格を 記録的な水準まで押し上げたとしている。 価格はさらに上昇基調との見方も 2002/03年度に発生した干ばつにより減少した肉牛飼養頭数の回復が遅れる中で、豪州の肉牛価格は、2004年後 半以降、国内外からの牛肉需要により前年水準を上回って推移してきた。2005年に入り、新たな干ばつの懸念によ り生産者が出荷を増加させたことから一時的に値を下げたものの、その後の降雨により供給頭数が減少し、価格は 再び上昇基調にある。 MLAでは、肉牛供給頭数減少の要因について、@2005年6月の降雨により牧草の生育状況が改善したことで、 肉牛生産者は干ばつの懸念を払しょくし、再び、出荷抑制機運になったこと、A7月から実施となった全国家畜個 体識別制度(NLIS)の義務化に伴う肉牛への耳標装着の遅れが、肉牛の出荷減少を助長したこと−などを挙げ ている。 一方、フィードロットや食肉処理業者は、国内外の強い需要を受けて生産力を高めており、最近ではフィードロ ットの収容可能頭数が初めて100万頭を突破するなど各社とも頭数の確保に努め、これも、価格上昇の大きな要因 となっている。 このような中、肉牛生産者の間では、牛群の再構築と合わせて、今後の市場価格上昇を当て込んで出荷を止める 動きも出ている。肉牛価格の季節的傾向として、例年、出荷が抑制される冬場にかけて上昇し、春先にピークを迎 えることから、今後の肉牛価格は、引き続き上昇基調で推移するとみられている。 ◎NZ、チリなど3カ国とFTA調印 ニュージーランド(NZ)政府は7月18日、チリ、シンガポール、ブルネイの3カ国とFTA(自由貿易協定) に相当する戦略的経済連携協定(Trans-Pacific SEP)に調印したことを発表した。 今回の調印についてNZのサットン貿易相は、「NZは、南米およびアジア諸国との間で非常に高いレベルの 自由貿易協定を締結することができた」と述べ、特に南米諸国との間での初のFTAとなったことで今後の貿易 拡大への期待を膨らませた。また、いくつかの国が同協定に強い関心を示しているとし、今後の交渉拡大へ前向 きな姿勢を示した。なお、NZは、タイとの間で2005年4月に同協定を締結し、7月より発効しており、今回の 調印は今年に入って2番目のものとなった。
【シドニー駐在員 横田 徹 平成17年7月21日発】
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