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地域内における5品目について公表 南米南部農牧審議会(CAS:アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、チリ、ボリビアの6カ国 で構成)の付属機関である農畜産政策ネットワーク(REDPA)は、各国からのデータ(2005年4月時点)を基に 取りまとめた主要農業産品である小麦、トウモロコシ、大豆、米、牛肉についての2004/05年度の需給予測を公 表した。 今回の公表について、アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)のサブサイ次官は「地域内における政策 プログラムを提案、議論するに当たっては、基礎的情報は決断を下す際の確実性を添えるため、必要不可欠の 要素である。また、CAS内でこれらの情報が一般化、均一化されていれば、統合に向けた地域内政策を決定 する作業をさらに容易にすることができるだろう」と述べている。 5品目のうち、トウモロコシ、大豆、牛肉の2004/05年の需給予測の概要は以下のとおりである。 トウモロコシ CASにおけるトウモロコシ生産量は世界の生産量のおよそ8.5%を占め、2004/05年度は前年度比0.8%増 の6千万トンとなっている。CAS内での各国のシェアは、ブラジルが65%、アルゼンチンが32%、パラグア イが2%、ウルグアイ、およびボリビアがそれぞれ1%以下である。 ブラジルの2004/05年度の生産量は前年度比7.5%減の3,900万トン、作付面積は同4.1%減の1,230万ヘクタ ールと見込まれる。この減少の要因には、収穫の遅れにより生産者価格が低下したこと、大豆の高収益性がト ウモロコシと大豆のいずれを作付けするかの決定に影響したことが挙げられる。 アルゼンチンの生産量は前年度比22%増の1,900万トン、作付面積は同14.5%増の342万ヘクタールとなり、 輸出量は同22%増の1.300万トンと見込まれる。 パラグアイの生産量は同9.7%増の124万トンとなる。また、輸出量は2000年の21万トンから2004年は81万ト ンと継続的に増加している。 ウルグアイでは、主に家畜飼料に向けられ、食料向けは生産の2%に過ぎず、国内ではその他の工業使用は 存在しない。2004/05年度の国内消費は前年度比10%増の25万トンと予測されている。通常、収穫量は国内需 要をまかなうには不十分であり、アルゼンチンからの輸入に依存している。 ボリビアについては、生産量は国内消費に向けられ、2004/05年度の生産量は50万トン、5万4千トンの輸 入が予測されている。 大豆 2004/05年度の大豆生産量は前年度比11%増の9,650万トンと予測されており、これは世界生産量の約45% を占める。各国のCAS全体の生産量に占める割合は、ブラジルが55%、アルゼンチン39%、パラグアイ3.5 %、ボリビア1.9%、ウルグアイ0.6%である。国別ではブラジルが前年度比6.7%増の5,310万トン、アルゼン チンは主要生産地が干ばつの影響を受けた前年に比べ、生育時の気候条件に恵まれたことから同21%増の3,750 万トンと見込まれている。ただし、同国での作付面積は95/96年度以降の増加傾向から減少に転じ、前年度比 2.1%減の1,420万ヘクタールとなっている。 2004/05年度の総輸出量は前年度の2,900万トンを上回る3,200万トンと見込まれている。国別では、ブラジ ルが前年の1,920万トンをやや上回る2,050万トン、アルゼンチンで800〜850万トンと予測されている。 牛肉 2004年のCASにおける牛肉生産量(枝肉ベース)は、前年比4.9%増の1,170万トンとなった。全生産量の65 %をブラジルが、また、アルゼンチンが26%と両国で地域の生産量の9割を占めている。 2005年のアルゼンチンの生産量は前年比2%減の295万トンと見込まれる。これは牛群の再構築のため、若 齢牛と雌牛を保留する傾向にあることが要因とみられる。また、ウルグアイは2005年の生産量が過去最高と なると見込まれる。 CAS内の生産量の23%が輸出されており、2004年は前年比36%増の276万トンとなった。 主要輸出国はブラジルで、全輸出量の62%を占め、これに次いでアルゼンチンが21%となっている。第3位 はウルグアイで、最近3年間で52%の伸びとなっている。 また、ブラジルは2000年には輸出量は生産量の9%を占めるに過ぎなかったが、2004年には22%に増大して いる。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成17年6月22日発】
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