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防疫対策を再強化 ブラジルでの口蹄疫やヨーロッパ、アジアを中心とした鳥インフルエンザの発生を受け、アルゼンチン では家畜疾病に対する警戒を強めている。農畜産品衛生事業団(SENASA)は10月25日、アルゼンチン 全土に衛生警戒事態を宣言し、それぞれの疾病に対する対策強化を定めた決議(672/2005号および670/2005 号)を公表した。この中で、 @口蹄疫および鳥インフルエンザの侵入と感染を防止するために、すでにある組織や対策を活用、強化 すること、 ASENASAの家畜衛生および食品衛生局に対し、衛生警戒事態下で必要とされる補足規則を定める 権限を与え、 ・ブラジルで発生した口蹄疫に対しては、場合によっては、口蹄疫を引き起こすウィルスの媒体とな り得るすべての家畜由来の製品のブラジル全土からの輸入または第三国への通過のための一時的な アルゼンチンへの立ち入りを停止する ・鳥インフルエンザに対しては、場合によっては、鳥インフルエンザを引き起こすウィルスの媒体と なり得る鳥由来の製品の輸入または第三国への通過のための一時的なアルゼンチンへの立ち入りを 停止する −などとしている。 また、特に国境地域からのあらゆる手段による口蹄疫ウィルスの侵入を避けるための管理と予防の特別 措置として以下の事項を挙げている。 ・管理部門および国境の警戒地域でのSENASA専門官および技術者の人員増強 ・国内への輸入が認められる商品の輸入手続きの管理強化 ・国内に入る車両の消毒 ・警戒地域での旅行者と手荷物の入国および通過時の検査強化 ・主要幹線道路または要所における監視施設の設置 ・感受性のある家畜の国内移動の監視強化 ・冷蔵施設、と畜場、ごみ廃棄場におけるバイオセキュリティーの管理強化、煮沸処理をしないままの残 飯の豚の飼料への使用禁止の順守 なお、SENASA関係者によると、「実際にはすでにブラジルのパラナ州と国境を接するミシオネス、 コリエンテス両州の国境地域の監視強化は行われているが、今回の決議により、これが正式な措置となる」 と説明している。 衛生状況の維持を維持し、輸出増を期待 現在までにアルゼンチンでは、鳥インフルエンザの発生は確認されていないものの、同疾病の侵入、ま ん延の可能性に対処するための対策を国家レベルで実施していることをSENASAは改めて強調し、決 議に続いて公布された規定(33/05号)では、鳥由来の製品の輸入および第三国への通行申請時における検 査の徹底、疫学監視システムの強化などを定めている。 なお、2005年1〜8月までの家きん肉生産量(可食処理ベース、骨付き)は処理羽数が2億5,087万羽と 前年同期を15.7%上回ったことから、前年同期比15.0%の64万1千トンとなった。また輸出量(製品重量 ベース、調製品および副産物を含む)は前年同期比58.7%増の8万9千トンと大幅に増加した。 鶏肉主要輸出国が鳥インフルエンザに起因する問題を抱える中、アルゼンチンは数少ない清浄国であり、 極めて有利な衛生状態にあることから、国内養鶏部門の継続的な発展と輸出のさらなる増加が期待できる ため、現在の衛生状況をなんとしても維持したいところであろう。 ◎ブラジル、口蹄疫の補償などに3千300万レアルを投入 ブラジル農務省は10月26日、口蹄疫発生地域に対し、3千300万レアル(約17億1千600万円:1レアル =52円)を補償金として投入する暫定令を公布することを発表した。これによると家畜の殺処分を行った 生産者に対して2千万レアル(10億4千万円)、小規模生産者向け、特に生乳生産者に600万レアル(3 億1千200万円)、経営の維持および投資に600万レアル(うち300万レアル(1億5千600万円)が国境 地域を対象)以上、残り100万レアル(5千200万円)がその他の経費に充当される。対象地域は、発生 のあったエルドラド、ジャポラン、ムンドノーボ郡のあるマットグロッソドスル(MS)州で、パラナ(P R)州でも口蹄疫の発生が確定した場合、これも対象となるとしている。【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成17年11月2日発】
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