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全国農相会議、干ばつ対策などで議論(豪州)


 連邦政府と豪州各州(準州を含む)政府の第一次産業大臣による「第一次産業大臣会議」が11月24日、ニュー
ジーランドのクライストチャーチで開催された。豪州では、農業を含む国内政策の実施に関し、各州政府の権限
が非常に強く、また、FTA(自由貿易協定)交渉など連邦政府の外交政策についても、各州政府の意向が強く
反映されている。11回目となる今回の会議では、@長引く干ばつ問題、A農業貿易問題、B教育機関への農業な
どの奨励 ―などの主要なテーマについて委員会より報告がなされ、それらの議題を中心に論議が交された。農
業関連の主な議題と概略は次のとおり。


○干ばつ対策の見直し
  連邦政府から現在の気象状況が説明され、長期にわたる干ばつにより農民、地域経済が厳しい状況に置かれ
 ているとの報告が行われた。これに関し、会議では、これらの状況に対して州政府、連邦政府が、現在、行っ
 ている干ばつ対策の継続した実施の必要性を確認し、干ばつの被害を受けているすべての地域に対して適切な
 対処を行うことで合意した。また、会議では、最新の対策の利用状況とともに、農家の干ばつに対する事前策
 として、政府と産業界の代表からなる委員会を設立し、その場で有効な改善策を検討、策定して2007年10月ま
 でに会議に報告するよう求めた。


○農業貿易問題
  現在のWTO農業交渉に関し、連邦政府のより積極的な対応を求めるとともに、現在、進捗中のFTA交渉
 の状況については、引き続き中国、マレーシア、ASEANとの早期締結に向けて積極的な働きかけを行うこ
 とで意見が一致した。また、サウジアラビア、ヨルダン、エジプトへの豪州の生体家畜輸出の再開については
 歓迎の意向を示すとともに、これらの生体家畜輸出に関して市場参入が速やかに実施できるよう、技術面での
 問題点を洗い出し、解決に向けた研究の必要性を唱えた。


○教育機関への農業などの奨励
  前回の会議で、減少する農業就労人口を確保するために、州政府、産業が連携を取って農業の役割を教育機
 関に広く普及することで合意したことを踏まえ、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州の両州政府
 からの、全国で広く活用できる教育機関に対する農業などの重要性を普及させる改善策についても言及された。
 会議では、教育機関での農業などの奨励が、農業の役割、責任と価値に対する認識を高めているとの認識で一
 致し、両州政府が提出した改善策について、より具体的となるよう論議し、教育部門に対して1年以内の報告
 を求めた。また、これら普及活動を行うための全国的なネットワークの構築に向けてどのような手段が取れる
 のか、2007年中の報告を併わせて求めた。


○その他
  連邦政府が主体となって取り組んでいるバイオセキュリティー対策について、その内容を合意するとともに、
 各州の費用負担について基本線で合意した。また、生体家畜の輸出に関する輸送環境の改善、国際獣疫事務局
 (OIE)による豪州のBSEステータスおよび予防措置の評価などの状況が確認された。



◎ 生産者課徴金、DAは据え置きの考え

 デイリーオーストラリア(DA)は11月24日、生乳生産者に対し、出荷される生乳1リットル換算で約0.315
豪セント(0.3円:1豪セント=0.92円、生乳生産者価格の1%程度に相当)を課している現在の生産者課徴金
について、長引く干ばつにより酪農家の経営状況が悪化していることなどから、据え置く考えであることを明ら
かにした。これは、同日に行われた年次総会で示されたもの。正式には来年2月に行われる生乳生産者の投票に
より決定される。なお、この課徴金はDAの販売促進、調査、運営などの活動経費として充当されている。




【シドニー駐在員 横田 徹 平成18年11月30日発】



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