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ブラジル穀物生産、天候不順の影響は前年度より小さい予測


作付面積の減少予測は継続

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月6日、2005/06年度第3回主要穀物生産状況調査(油糧
種子を含む14品目)の結果を発表した。これは1月23〜27日に全国の主要生産地帯を対象として調査(※)
したものである。

(※):南部・南東部・中西部の全域、北部のうちトカンチンス州・パラ州・ロンドニア州、北東部のう
    ちバイア州・マラニョン州南部・ピアウイ州南部。

 第3回調査は、当該農年度の収穫直前の時期に行われ、生産状況を推測する上で重要性の高いものとな
っており、作付面積は4,680万へクタールと、前年度の4,888万へクタールを4.3%減少する見込みとなって
いる。面積の減少は第1回目から予測されていたものであり、大豆、米、小麦、綿などが昨年よりも面積
を減らした主な作物となっている。

 作付面積の減少は、輸出作物においてはドル安レアル高によるレアル収入の減少や生産資材価格の上昇
によるコストの増加により、生産者の投資能力の低下を反映したものと見られている。

 一方、面積の減少があったものの大豆をはじめとする主要作物の1へクタール当たり収量(以下「収量」)
は前年度と比較して高く、今年度の生産量は前年度比 9.3%増の1億2,440万トンの予測となっている。

 今年度、各地で見られた長期乾燥や降雨過剰などの天候不順は、大きな被害を受けた前年度の極度の乾
燥より良い条件下にあり、収量の増加を予測させている。特に前年度の長期乾燥の被害を受けた南部のリ
オグランデドスル州では、今年度も一部に乾燥があったものの局部的なものであり、全体の生産に影響は
与えていない。


トウモロコシは増産予測 

 国内最大の生産州であるパラナ州で長期乾燥による被害が起こったものの、第1期作(夏期作)トウモ
ロコシにおける面積および収量の増加などにより、2005/06年度のトウモロコシ生産量は前年度を 19.1%
上回る 4,166万トンと予測された。

 このような中、第1期作(夏期作)の生産量は、前年度の 2,727万トンを 20.5%上回る 3,287万トンと
予測され、これは主に中央南部地方(中西部、南東部、南部)における大豆地帯の一部が、トウモロコシ
の作付けに代わったことが理由に挙げられ、また収量の増加予測は前年度の天候不順に比べ影響が少なか
ったためと思われる。

 なおトウモロコシの全生産量には、前年度の面積をそのまま用いている第2期作(冬期作)も含まれて
いるため、今後の作付動向により変動が有り得るものとなっている。


大豆の作付面積減少を再確認

 今回調査においても、前回の調査までに見られていた大豆の作付面積の減少は再確認された。

 作付面積は、前年度を116万へクタール、5%下回る2,215万へクタールとなり、過去8年間連続して面
積を増加させてきた大豆が初めて減少した。
 
 しかしながら収量が大幅に増加する予測により生産量は、前年度を13.1%上回る5,818万トンとなった。
なお作付面積の減少は北東部のマラニョン州南部およびピアウイ州南部を除いて全国的に観察されている。

 作付面積減少の要因としては、(1)国際および国内市場における価格の低迷、(2)他の作物、特に
製糖工場周辺のサトウキビ栽培、 消費地周辺のトウモロコシ栽培と比較した収益性の低下、(3)前年
度、特にリオグランデドスル州における天候不順による収量の極端な減少による収益の減少、(4)中西
部地方のように加工工場や積出港から遠隔地にある農場の赤字経営予測−などが挙げられている。

 なおCONABは最後に「ブラジル、アルゼンチン、パラグアイにおいて今後も続くと予測される生産
増加、またすでに確定的となった米国の史上第2位の生産などにより、世界の在庫水準が高まり、短中期
的に価格回復の可能性は低く、生産者にとって今年度も収益がかなり圧迫される年になりそうである」と
分析している。



【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 平成18年2月15日発】 

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