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2月16日現在、EU加盟6カ国で鳥インフルエンザを確認 欧州委員会は2月13日、ギリシャとイタリアにおいて、アジア諸国などで猛威を振るっている高病 原性のH5N1型ウイルスによる鳥インフルエンザが確認されたことを発表した。これらは、昨年来 世界的な広がりを見せつつある同型のウイルスが、EU域内で確認された最初のケースとなる。 また欧州委員会は同日、スロベニアにおいてH5型ウイルスによる鳥インフルエンザが確認された ことを発表した。さらに、翌14日に、オーストリアでH5型、15日にドイツでH5N1型、16日にハ ンガリーでH5型の鳥インフルエンザウイルスがそれぞれ確認されたことを発表した。これら4カ国 で確認されたサンプルについては、ギリシャ、イタリアで確認されたウイルスと同じH5N1型ウイ ルスによるものであるかの特定をするために、EUの参照研究所にサンプルを送付している。 H5N1型ウイルスの感染が確定または疑われる国に、保護対策を適用 欧州委員会は2月10日、前日に3羽の死んだ野生の白鳥からH5型の鳥インフルエンザウイルスが 検出されたギリシャに対し、家きんなどへの同疾病の拡大を防ぐための保護対策を規定する委員会決 定を適用した。また、2月13日には、イタリア、スロベニア、2月14日には、オーストリア、2月15 日には、ドイツ、ハンガリーに対して同じ内容の委員会決定をそれぞれ適用している。 この決定では、H5型のインフルエンザウイルスによる高病原性鳥インフルエンザの存在が確認さ れ、さらに、ノイラミニダーゼがN1型と確認または疑われる場合に、次の区域を設定することとし ている。 ・死んだ鳥などが発見された場所から少なくとも半径3キロメートル以内を保護区域とする ・保護区域を含め、少なくとも半径10キロメートル以内を監視区域とする なお、これらの区域を設定するに当たり、地理的、行政的、生態学的、伝染病的要因を考慮して設 定すべきとしている。また、設定した地域がほかの加盟国にまたがる場合は、その国の主管当局と協 力して実施することとなっている。 保護区域、監視区域による対策 この決定では、各区域における対策が規定されており、主な内容は次のとおり。 ○保護区域 ・家きんの屋内飼育を義務化 ・農場、家きんの飼育施設などの出入口での消毒を含むバイオセキュリティ対策 ・直接食鳥処理場へ輸送するものを除き、生きた家きんの移動を禁止 ・飼い主、猟師、野鳥観察家への同疾病の意識を高めるキャンペーンの実施 ・厳格に取り扱われた状態の家きん肉・肉製品などを除く、当該区域からの同製品の流通の禁止 ○保護区域および監視区域 ・品評会、朝市、ショーなど、家きんやそのほかの鳥を一堂に集めることを禁止 ・野鳥の狩猟の禁止 すべての第三国からの未処理の羽毛の輸入の一時停止などを提案 EUのフードチェーン・家畜衛生常設委員会は2月15日、欧州委員会から提案された鳥インフル エンザに関する2つの提案に賛成した。 加盟国では、EUでの鳥インフルエンザの早期発見を目的とした監視を実施している。EUは、各 加盟国で実施した検査に対し、50%の助成をしており、欧州委員会は、本年2月1日から12月31日ま での監視に要する経費の計画について提案した。これによると、同期間におけるEUからの助成額の 上限は、196万5千ユーロ(2億8千万円:1ユーロ=141円)となっている。 もう一つは、すべての第三国からの未処理の羽毛の輸入を一時停止するものである。現在は、「鳥 インフルエンザが確認された第三国の地域のみ」から、未処理の羽毛の輸入を一時停止しているが、 これを「すべての第三国」に拡大するものである。この提案は、羽毛を通じて鳥インフルエンザのリ スクが拡大することを減少するには、羽毛が域内を流通する前に適切な処置を採るべきであるとする 欧州食品安全機関(EFSA)の見解に基づくものである。なお、この措置は本年7月31日まで適用 する予定としている。【ブリュッセル駐在員 山ア 良人 平成18年2月16日発】
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