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2005年6月末のピーク時から約14万頭減少 豪州フィードロット協会(ALFA)は1月24日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査 による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。 これによると、2005年12月末時点の総飼養頭数は、前回調査(2005年9月末)に比べて7.3%減の73万4 千頭と、前回調査に引き続き減少した。一方、フィードロット収容可能頭数は前回調査比0.3%増の110万 2千頭となり、最高記録を更新した。フィードロットの稼働率は67%と、前回調査から5ポイント低下し た。 注:前回調査は、2005年9月末 日本向け、15%減の42万頭 フィードロットの飼養頭数を州別にみると、最も多く飼養しているクイーンズランド(QLD)州で、前 回調査比で20%減少したことから、その他の州で増加したものの、全体ではかなりの減少となった。 一方、仕向け先別にみると、輸出向け飼養頭数は47万8千頭でフィードロット全体の65%となり、前回調 査時の67%から2ポイント減少した。輸出先別では、韓国向けは増加したものの、輸出の大半を占める日本 向けが前回調査比15%減の42万2千頭となった。 フィードロット収容可能頭数は、ニューサウスウェールズ(NSW)や西オーストラリア(WA)州などで 増加したため、前回調査に比べてわずかながら拡大し、過去最高となった。肉牛価格の上昇、日本向けの減少などが要因 フィードロット飼養頭数の減少理由についてALFAのフォスター会長は、南部州での季節的な要因のほ か、干ばつによる国内主産地での肉牛の供給不足やそれに伴う肉牛価格の上昇、また、日本の米国産牛肉輸 入の再開や輸入再開による影響が現時点で不透明であることなどを挙げている。 また、同会長は、飼養頭数が減少しているものの、収容能力が拡大している状況に触れ、「収容能力の拡 大は、アジア市場の不透明さにかかわらずフィードロット産業がその将来に自信を持っていることを表し、 今後の成長の持続を示すもの」と述べ、フィードロット産業の将来に自信を示した。しかし、一方では、同 会長は、「再び輸入停止措置がとられた日本の米国産牛肉輸入再開問題や韓国市場への米国産牛肉輸入再開 時期などの不確定要素により、影響を受ける」とも述べており、米国産牛肉の輸入再開によって、その程度 は不明ながらも影響があるとみている。 2005年の出荷頭数は260万頭で過去最高 一方、2005年のフィードロットの飼養頭数は、四半期ごとの平均で80万頭を超えて推移した。これにより、 フィードロットからの出荷頭数は、前年比16%増の260万頭と過去最高を記録した。 これを輸出先別に出荷重量(船積みベース)でみると、日本向けの穀物肥育牛肉は前年比12%増の19万3 千トン、韓国向けは前年比2倍以上の2万3千トンとなっている。なお、2005年の日本向け全体の牛肉輸出 数量は40万5千トンとなっている。 【シドニー駐在員 井上 敦司 平成18年1月24日発】
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