ALIC/WEEKLY
米国は今回の結果にくじげず、引き続きドーハラウンドを成功に導く努力を継続 シュワブ米国通商代表とジョハンズ同国農務長官は7月1日、ジュネーブでの世界貿易機関(WTO) の閣僚級会合が打開策を見いだせずに終了したことを受け、以下の声明を公表した 米国が世界の農業者、鉱工業者およびサービスの提供者のために新たな市場を開放するという強い野心 への公約は全く変わっていない。これは、開発ラウンドであるドーハの約束に導く唯一の方法である。 今週の会合は重要であった。われわれの大きな課題は、ドーハの要求である農業における市場アクセス の「実質的な改善」を政策の根本的な改革や鉱工業品の障壁の引き下げなどを通じどのように届けるのか 合意することであった。われわれはまだすべての回答を得ていないが、市場アクセスの課題の中心はしっ かり議論されている。われわれは、またすべての加盟国がラウンドを成功裏に導くため必要となる調整に ついて長引く議論を行ってきた。 残念ではあるが、くじけはしない。昨年の10月、米国と同様に他国が大胆な行動を示して報いることを 期待し、米国は主要な農業提案を議論の俎上に載せることにより指導力に関するリスクを取った。いまだ そのようなことは起きていない。新たな貿易の流れをつくることは、成功を測るために用いられる物差し である。 閣僚として熟考し議論するよう、ラミー事務局長の支援の下、農業と鉱工業品の双方における自由化を 阻害する抜け穴を拡大するのではなく、加盟国のうち先進国と途上国がそれぞれ求めているものに焦点を 合わせラウンドの成功を保証するための議論を行うことができるよう、議論を転じていかねばならない。 われわれはドーハでの約束を果たすことにこれまで以上に焦点を絞るとの決意とともにジュネーブを発つ。 米国はドーハラウンドを成功裏に結論付けることを可能とするために袖をめくり上げ、突破口を探すた めに働く用意がある。これは米国経済、世界的な発展および世界的な貿易システムの強化のために正しい ことである。 ○ カナダ食品検査庁、BSEに関連する飼料規制の強化や米国からの牛生体輸入規則の緩和な どを発表 カナダ食品検査庁(CFIA)は6月26日、すべての家畜の飼料、ペットフードおよび肥料への特定危 険部位(SRM)の使用を禁止するとの飼料規制の強化策を公表した。CFIAはこれにより潜在的なB SE感染を99%以上防止し、国内のBSE根絶に向けて大きく前進することができるとしている。 今回SRMとして飼料、ペットフードおよび肥料への使用が制限されるのは、すべての牛の回腸遠位端 と30カ月齢以上の牛の頭がい、脳、三叉神経、眼、扁桃、脊髄および背根神経節である。 なお、関連業者に対して、インフラなどを新規則に対応するための移行期間を与えるため、この施行は 2007年7月12日とすることが予定されている。また、小規模業者については、新規則の施行後さらに6カ 月間の移行期間が付与される予定である。 CFIAはまた6月29日、99年以降に生まれた繁殖用の牛を含むすべての牛の輸入を解禁するとともに、 30カ月齢以上の牛についても一定の条件の下で輸入を認めることを発表し、同日からこの輸入条件の緩和 を実施した。【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成18年7月6日発】
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