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家きんでH5N1型の鳥インフルエンザを確認(フランス)


七面鳥飼養農家で、H5N1型を確認

 フランス農漁業省は2月24日、同国中東部のアン県の家きん農場でH5N1型のウイルスによる
高病原性鳥インフルエンザを確認した。これは、EU域内で、同型のウイルスによる家きんへの感
染が確認された初めての事例となる。アン県では2月18日に野生のカモで同型のウイルスが確認さ
れており、このカモが発見された地点を中心に半径3キロメートル以内を保護区域と設定していた。
この農場は、この保護区域内にある1万1千羽以上の七面鳥を飼育する農家であった。同農場では、
大量の七面鳥の死亡が確認され、当該地域の保健衛生所に通報していた。ウイルスの特定を行った
フランスの参照研究所は、今回確認されたウイルスについて、最初に感染が確認された野生のカモ
から検出されたものと、99%一致するものであると発表している。

 発生のあった農場の七面鳥は、EU指令に基づき、すべての鳥が殺処分され、施設などの消毒が
行われた。


発生県での防疫対策

 家きん農場で高病原性の鳥インフルエンザの発生があったアン県では、今回の発生が疑われた時
点で、防疫対策を強化している。まず、広範にリスク管理を行う地域として、委員会決定2006/135
/ECに基づき(詳細については海外駐在員情報第709号参照)、隣接するローヌ県の行政区(コミ
ューン)を含め、160の行政区を監視区域に設定した。同区域内のすべての畜舎施設では、施設へ
のウイルスの侵入を防ぐため、出入り口に、消毒槽の設置が義務付けられた。さらに、同区域内で
の家きんを含むすべての鳥の移動禁止、生きた鳥などを集めることを禁止、肉、肉製品、種卵、食
用卵の流通管理の強化などを実施している。この対策は、保護区域では、少なくとも21日間、監視
区域では、31日間適用することとしている。

 また、アン県は、ペットの鳥も含め、屋外で鳥を飼養している住民に対し、注意喚起を行ってい
る。主なものは、次のとおり。

 ・家きんを完全に閉鎖された施設の中で飼養すること。その際、施設内の換気のため、野鳥が侵
  入できない開口部を設置することは可能である。

 ・野鳥が寄ってくることを防止するため、屋外での給餌、給水を禁止。また、雨水がたまるよう
  なえさ箱、水おけを屋外から取り除くこと。

 ・施設の中では、えさ、水を十分に与えること。水は、屋外のたまり水、池などから与えてはな
  らない。

 ・敷きわら、食品を含め、施設に入れるものを野鳥から隔離すること。


肉、卵の安全を呼びかけ
 
 国連食糧農業機関(FAO)によると、欧州での家きんの消費量は、域内における高病原性鳥イ
ンフルエンザの発生により低下しており、イタリアでは、2月中旬に通常と比べ70%、フランスで
は20%、北ヨーロッパでは、10%程度落ち込んでいるとしている。

 鳥インフルエンザ発生による消費の低下を受けフランスのシラク大統領は2月25日、家きん肉、
卵を食べることは危険ではないことを強調するコメントを発している。また世界保健機構(WHO)
も、家きん製品が衛生的かつ安全に扱われ、適切に調理をすれば、食品を通じて人にH5N1型の
鳥インフルエンザは感染するリスクはないとの声明を発表している。


EUでの鳥インフルエンザの発生状況

 欧州委員会は2月28日、スウェーデンにおいて、死んだ野生のカモから、H5型の高病原性鳥イ
ンフルエンザが確認されたことを発表した。3月1日現在、H5N1型の高病原性鳥インフルエン
ザが確認された国は8カ国に上り、スウェーデンでの事例が同型と確認されれば9カ国目となる。

 こうした中、まだ同型の鳥インフルエンザの発生が確認されていないベルギーでは、国内全域の
家きん農家に対し、3月1日より、家きんを屋内で飼養することを義務付けている。



【ブリュッセル駐在員 山ア 良人 平成18年3月1日発】

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