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家畜疾病対策が重点課題(カンボジア)


2005年度の家畜頭数は全体的に増加

 カンボジア農林水産省家畜生産衛生局(DAHP)は1月31日、2005年(2004年12月15日〜2005年12
月15日)の家畜衛生・生産活動年次報告を行い、引き続きワクチン接種などによる家畜疾病対策が畜
産行政上の重点課題であるとした。

 同国家畜生産事務所が集計した当該期間中の家畜飼養頭数は、牛が318万頭で前年度に比べ4.5%増
加、水牛が68万頭で同3.8%増、豚が269万頭で同10.7%増、家きん(鶏およびアヒル)は1,509万羽で
同7.8%の増加となっている。

 商業ベースの大規模畜産の現状は牛および水牛が4農場、養豚場が47農場、家きんが187農場とされ
る。


役畜の計画的交配の必要性を表明

 同国農相は2月に、カンボジアで飼養される一部地域の牛で近親交配が進み、これが体格のわい小
化を引き起こし、主に役畜として使役されるこれらの牛の耕作能力低下を招いているとして、早急な
対策が必要であると表明した。同相によると、国内で飼養される牛の3分の1以上は近親交配が進み
体格が小さくなった在来黄牛とその交雑種で、その多くは同国中心部に位置するトンレサップ湖南岸
のKompong Chhnang県、Pursat県、タイ国境のOddar Meanchey県で飼養されるものとされる。またその
主な原因として粗放的な飼養形態のため計画的な交配管理が行われていないことを挙げている。DA
HP関係者は種畜の能力向上のため体格の小さい雄牛の去勢を推進し、集落単位で改良用高能力牛を
少なくとも1頭ずつ配布すべきであるとしている。

 同国は首都プノンペン郊外に国立タマオ種畜牧場を有しているが、同牧場の年次報告によると2005
年の子牛生産頭数66頭、死亡4頭、売却82頭とされ年度末飼養総数は211頭(雄59頭、雌152頭)とさ
れた。なお売却益は4,083万リエル(117万円:1リエル=0.0286円)で、DAHPの年間歳入総額11
億5千万リエル(約3,300万円)の3.5%に相当する。そのほかの歳入としては家畜衛生、と畜などに
関する法令に基づく罰則金となっている。


ワクチン接種と疾病対策の現状

 また、同報告によると2005年度のワクチン接種状況として口蹄疫(FMD)ワクチン接種頭数がPrey 
Veng県、Takeo県、Kg Chhnang県の3県で牛10,300頭、水牛1,548頭となった。豚に関してはプノンペ
ンなど大都市周辺部を中心に1,747頭に接種された。また、出血性敗血症は牛140万頭、水牛26万頭、
豚6万2千頭で、気腫疽が牛、水牛合わせて1万頭、そのほか豚ではサルモネラ、豚コレラなどとな
っている。家きんではニューカッスル27万羽をはじめ家きんコレラ14万羽、さらに鶏痘などのワクチ
ンが接種されている。

 FMDや出血性敗血症など家畜伝染病の治療実績としては牛、水牛を合せて9万3千頭、豚が18万
頭となっている。一方、疾病によりと畜された頭数は牛、水牛5万6千頭、豚50万5千頭となってい
る。なお疾病による死亡頭数は水牛1千頭、豚1万頭となった。


近年の畜産物輸出等動向

 同国内で牛、水牛関連の輸出承認を受けている企業のうち、従来から生体牛の輸出承認を受ける
Mong Riththy社は2005年度、国内各県から素牛188頭の買入れを行った。マレーシア向け生体牛輸出
を主に行っていた同社は同年度、国内の生体牛価格高騰により一時的に生体牛の輸出を停止した。
 
 同国及びタイで生体牛価格が高騰する一方、さらに価格上昇が激しいベトナムとの取引が活発化し
ている。同国から、又はタイから同国を介してベトナムに生体牛を輸送・輸出する承認(2004年度に
新規認可)を受けるYuvak Peanich社の同年度輸送実績は合計して、同国産牛の輸出7,159頭(水牛
5,667頭)、タイからの輸送は牛1万8千頭、水牛235頭あまり、とされる。

 また、S.Camrath社も同様に同年、タイ産牛を402頭ベトナムへ輸送している。

 なお同国で塩漬け牛皮輸出の承認を受けるものは4社(Thai Chong and Pong Sarvith社、Sakpeah 
Peanichkam社、Osman Hasan社、Chhoeun Chantharn社)となっている。



【シンガポール駐在員 木田 秀一郎 平成18年3月8日発】



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