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今年度の穀物生産量は歴代2位 ブラジル農務省(MAPA)は5月3日、管轄下にある国家食糧供給公社(CONAB)が4月17〜20日に 実施した2005/06年度第6回主要穀物生産状況調査の結果を発表した。 調査結果によると、作付面積はやや減少し前年度比4.1%減の4,706万へクタールと見込む一方、穀物生産量 はかなり増加し同6.3%増の1億2,108万トンと見込んでおり、今年度の穀物生産量は2002/03年度の1億2,320 万トンに次ぐ歴代2位を記録すると見込んでいる。 今年度は、地域により天候不順もみられたが、昨年度の長期乾燥から平常に戻っており、おおむね土壌は作 物に良好な状態が保たれた。主な作物の生産量をみると、大豆はかなり増加し同7.3%増の5,523万トン、トウ モロコシは大幅に増加し同16.6%増の4,083万トンと見込んでいる。CONABのフェレイラ総裁は、今年度 の穀物生産量について、冬期作が良好な生育条件下にあることから、さらに増加することはあっても減少する ことはないと見込んでいる。 農相、来年度生産の大幅減少を予想 2005/06年度の穀物生産量は順調な見込みであるが、穀物経営の状況をみると、穀物の価格は低下する一方 で、生産コストは上昇していることから、生産者の経営収支は圧迫されており、レアル高ドル安の為替政策や 手薄な支援策などを不満として、抗議活動もみられるところである。 また、ロドリゲス農相は来年度の穀物生産について、「作付面積は600万へクタール減少し、生産量は2,400 万トン減少するとみられ、過去5年間で最低になるであろう」と大幅に減少すると見通している。
◎中川農相、来伯 中川農相は、5月5日にサンパウロ州ジャボチカバル市でロドリゲス農相と会談を行った。会談でロドリゲ ス農相は、「今は日伯交流に関して重要な時期である。まず、日本からブラジルへの移民が始まり、100年がた とうとしている。日本からの移民はブラジル農業に農業新技術と組合制度を導入し、ブラジルの農村開発に大 きなてこ入れとなった。次に、バイオエタノールを日本に輸出する可能性を開くことである。バイオエタノー ルは、日本にクリーンエネルギーを提供するとともに、新たな雇用創出、アグリビジネスの収入拡大など多く の機会を両国にもたらす」と述べた。 WTO交渉については、中川農相の交渉を前進させようとする姿勢に対し、ロドリゲス農相は開発途上国に 対する公平性の重視を示すものであると評価した。 また両国農相は、貿易拡大のため毎年会談を行うことに合意した。 【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成18年5月17日発】
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