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飼養頭数は89万6千頭に、稼働率も82%と大幅な改善 豪州フィードロット協会(ALFA)は5月16日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査に よる四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。 これによると、2006年3月末時点の総飼養頭数は、前回調査(2005年12月末)に比べて22%増の89万6千 頭となり、2005年6月末の87万9千頭の過去最高記録を更新した。また、フィードロット収容可能頭数は、 前回調査比0.3%減の109万9千頭と若干減少したが、飼養頭数の増加によりフィードロットの稼働率は、前 回調査から15ポイント上昇の82%と大幅に改善した。 飼養頭数はすべての州で増加、仕向け先では日本向けが22%増に フィードロットの飼養頭数を州別にみると、前回調査に対してすべての州で軒並み増加しており、中でも 最大の飼養頭数を誇るクイーンズランド(QLD)州、また、西オーストラリア(WA)州などでの頭数増 が目立っている。また、フィードロットの収容能力については前回調査から大きな変化はないが、前年同期 比でみると全体で10%増加しており、特にニューサウスウェールズ(NSW)州(前年同期から約3万頭増)、 QLD州(同約5万頭増)などの拡大が目立っている。 フィードロット飼養頭数を仕向け先別にみると、輸出向けの飼養頭数は57万9千頭と大幅に増加したが、 飼養頭数に占める輸出向け割合は65%と、前回調査時とほぼ同じであった。輸出先別では、輸出の大半を占 める日本向けが前回調査比21.9%増の51万4千頭と大きく増加した。また、韓国向けも6.3%と小幅ながら も増加となった。一方、国内向けについても、安定した品質を求める需要を背景に前回調査比27.2%増と大 きく拡大した。日本向けの増加などが要因、米国産牛肉輸入再開問題は業界に影響 フィードロット飼養頭数の増加理由についてALFAでは、通常の季節的要因に加え、主要生産地である QLD州やWA州の収容能力が前年同期から拡大したこととしているが、最大の要因として、日本での米国 産牛肉の輸入再停止問題などを挙げている。ALFAでは、これら日本、韓国などの需要を満たすため、新 たに9万頭以上の肉牛がフィードロットに追加されたとしており、これを、主要肉牛生産地である東部地域 の少雨(牧草の減少に伴う肥育素牛の出荷増)が後押ししたとみている。また、国内向けについて、すでに 国内の牛肉供給量の3分の1がフィードロットを経由して出荷されており、この増加分も飼養頭数拡大に寄 与したとしている。 しかし一方で、日本の米国産牛肉輸入再開問題などの不確定要素は、フーィドロット業界にとって大きな 影響を及ぼすとみており、今後の成長を抑制する要因としてとらえている。 【シドニー駐在員 横田 徹 平成18年5月17日発】
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