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大豆やトウモロコシなど穀物の作付面積は3.3〜5.3%減 ブラジル農務省(MAPA)は10月5日、管轄下にある国家食糧供給公社(CONAB) が9月18日〜22 日に実施した 2006/07年度第1回主要穀物生産状況調査の結果を発表した。 調査結果によると、作付面積(今年度4,726万ヘクタール)はやや減少し前年度比3.3〜5.3%減の4,474〜 4,568万ヘクタールと見込んでいる。品目別に見ると、フェイジョン豆、米、綿花の作付けが増加する一方で、 大豆、トウモロコシ、小麦は減少している。 また8月に実施した2006/07年度第2回サトウキビ生産状況調査と比較すると、サトウキビの作付面積(今 年度584万ヘクタール)はやや増加し前年比5.5%増の616万ヘクタールであることから、2006/07年度の主要穀 物(158〜252万ヘクタール減少)の作付減少は、サトウキビ(32万ヘクタール増加)の作付拡大の影響が大き いとは言い難い。 農相は政府支援の成果を強調 これまで、2006/07年度の主要穀物生産については、穀物価格が低下する一方で、生産コストは上昇してい るため、穀物経営の経常収益は圧迫されていることから、大幅に減少すると見込まれていた(海外駐在員情 報720号参照)。 しかしながら、調査結果を踏まえゲデス農相は「これまで関係者は穀物価格の低迷を理由に 2006/07年度 の穀物生産は大幅に減少するだろうと予想していた。しかし、この関係者の予想について私は早まった見方 であると考えていた。今回の調査結果により、関係者の予想は外れることとなったが、これは取りも直さず、 生産者が農業投資を行ったこと、政府が強力な支援を行ったこと(海外駐在員情報722号参照)を反映したも のである。」と述べている。 ◎アルゼンチン、降雨不足が深刻化 9月に入ってアルゼンチン地元紙では降雨不足に関する記事が頻繁に掲載されるようになっている。降雨 不足は畜産の主要地帯であるブエノスアイレス州などを含むアルゼンチンの北部で深刻化しつつあり、飼料 価格の上昇、牧草不足のため飼養できなくなった肥育牛が多くなったことによる出荷頭数の増加や小麦の生 育の遅れなどが生じ始めている。 10月に入ってブエノスアイレス州を中心に数日間降雨が続いたことから、小麦の作柄が好転したと伝えら れたが、ブエノスアイレス州ソラ知事は10月5日、「降雨不足は小麦の作柄、畜産に暗雲をもたらし、トウ モロコシとヒマワリの播種を困難としている」と述べている。また知事は、降雨不足による同州の損害額は 約3億1,500万ペソ(121億円、1ペソ=38.5円)とし、国に対し財政援助を要請したと伝えられている。 【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成18年10月11日発】
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