週報「海外駐在員情報」


平成19年4月10日号(通巻762号)


◎欧州委、直接支払いの受給要件の改善・簡素化を提案(full story)  
                                                             
【ブリュッセル駐在員 和田 剛 平成19年4月3日発】 欧州委員会は3月29日、生産者に対する直接支
払いの受給要件(クロス・コンプライアンス)に関する改善・簡素化の提案を行った。今回の提案は、現
在、欧州委員会が進める共通農業政策(CAP)の簡素化作業の一環であり、行政によるクロス・コンプ
ライアンスの調査方法や条件を満たさない生産者に対する支給額の削減方法などの改正に関するものであ
り、制度の目的や内容を見直すものではない。       

◎米国農務省、2007年のトウモロコシ作付予測を上方修正 (full story)

【ワシントン駐在員 唐澤 哲也 平成19年4月4日発】米国農務省全国農業統計局は3月30日、米国内における
生産者への意向調査に基づく2007年の主要農作物作付予測を公表した。これによると、本年のトウモロコ
シ作付面積は前年比15%増の9,045万エーカーと、これまで公表された予測に比べさらに5%程度上方修正
される結果となった。また、ジョハンズ米農務長官は同日、この調査結果を受け、土壌保全留保計画(C
RP)に関する農業者からの早期契約解除に対する違約金の免除を実施しない方針であることを公表した。      

◎2006/07年度の農家経営、過去最悪との見通し(豪州)  (full story)                                
 
【シドニー駐在員 横田 徹 平成19年4月5日発】豪州農業資源経済局(ABARE)は3月末、最新の
農家経営の動向を探る農家調査「ファームサーベイ」を公表した。この中で2006/07年度の農家経営につい
て、100年に一度といわれる干ばつにより穀物の生産量が大幅減になったことに加え、飼料穀物価格の上昇
が家畜の生産コストを引き上げたことで、1農家当たりの経営収支見通しは、1977/78年度に調査を開始し
て以来、過去最悪の状況になるとしている。
 

◎マレーシア・米国FTAが決裂 (full story)

【シンガポール駐在員 斎藤 孝宏 平成19年4月5日発】マレーシアと米国はFTA交渉を進めてきたが、交
渉期限である3月末までに合意に達せず、交渉は決裂した。マレーシアの外相は依然として締結を望んで
いるとしているが、交渉の過程で、マレー人優遇政策である「ブミプトラ政策」へのマレーシア側のこだ
わりなどが決裂の原因とされている。当該FTAに関しては、マレーシア畜産農家協会連合(FLFAM)
が養鶏部門に大きな影響が出ると反対していた。                     

◎ブラジル、今年の鶏肉輸出は増加見通し (full story)

【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成19年3月30日発】2006年のブラジルの鶏肉輸出は、特に欧州における
鳥インフルエンザの発生による鶏肉需要の減退を反映し、かなり減少した。しかしながら、昨年9月頃か
ら回復の兆しをみせており、ABEFのゴンサルベス会長は「輸出は回復しつつあり、よい年となること
が期待される。鳥インフルエンザによるパニック状態は過ぎ去った」と述べている。併せて、鶏肉輸出価
格の上昇は、トウモロコシ価格の上昇だけではなく、輸出量の回復による影響も大きいとみられる。                                                            


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