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前年に引き続き100万トンの大台に アルゼンチン農牧漁業食糧庁(SAGPyA)が先ごろ公表した年次レポートによると、同国の2006年の 家きん肉生産量(可食処理ベース、骨付き)は前年の101万トンを14.7%上回る115万9千トンと過去最高を 記録した。これは、1羽当たりの平均と体重量が前年比0.4%増の2.68キログラムにとどまったのに対し、 処理羽数が前年比14.2%増の4億5,043万羽となったことが大きい。 1人当たり年間消費量も前年の24.2キログラムを14.9%上回る27.8キログラムとなった。鶏肉と競合する牛 肉の価格が、カットによるばらつきはあるものの、12〜17%上昇したのに対し、鶏肉はわずかに0.8%高にと どまり、安定した価格が消費増につながったと見られる。 輸出量も過去最高を記録 輸出量(製品重量ベース、調製品および副産物を含む)は前年比5.2%増の15万360トン、輸出額は同5.5% 増の1億5,505万ドル(186億円:1ドル=120円)と過去最高となった。主要な輸出先はチリ(25%)、南ア フリカ(14%)、香港(10%)、中国(10%)であり、これら4カ国で約6割を占めている。また、主な品 目は丸どり、モミジなどである。 一方、輸入量は前年比3.5%減の1万4,687トン、輸入額は同8.7%増の1,413万ドル(17億円)となった。輸 入量の96%をブラジルが占め、米国が3%。チリが1%となっている。品目別では肉粉が全体の約6割を占 め、その他軟骨、むね肉などが続いている。なお、国内生産量に対する輸入量の割合はわずかに1.4%である。 2007年はさらなる生産増の見込み SAGPyAでは2007年の生産量を130万トンと見込み、また、今年1月に定められた農畜産部門に対する 助成制度(本紙第751号を参照)により、トウモロコシおよび大豆の価格上昇と鶏肉への価格転嫁が抑えられ ることで堅調な国内需要が維持されると見通している。 一方、需要国での鳥インフルエンザの発生がなければ、輸出量は20万トンに達するとしている。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成19年4月11日発】
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