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1.南米で口蹄疫の清浄化が進展 2007年5月に開催された第75回国際獣疫事務局総会において、アルゼンチンの北パタゴニアB地域と呼ばれる リオネグロ州とネウケン州、およびブラジルのサンタカタリーナ州が新たな南米の口蹄疫ワクチン不接種清浄地 域とされた。 またBSEステータスについては、アルゼンチンおよびウルグアイについては、豪州、シンガポール、ニュー ジーランドとともに「無視できるリスク国」、ブラジルおよびチリについては、米国、カナダ、スイス、台湾と ともに「管理されたリスク国」と評価された。パラグアイも申請を行ったが、アイスランドとともに「BSE暫 定清浄国」となり、認定は2008年に持ち越された。 2.今年の鶏肉輸出は増加(ブラジル) 2006年のブラジルの鶏肉輸出は、特に欧州における鳥インフルエンザの発生による鶏肉需要の減退から、98年 以来8年ぶりに減少に転じた。しかしながら2007年に入り、EU向けや中東向けの輸出が拡大しているなど輸入 国の鳥インフルエンザの影響が終息され、再び増加傾向に転じている。一方、欧州の不作などにより、2007年の トウモロコシ輸出も好調であるため、2008年初頭には、トウモロコシ国内供給量が不足するのではないかと心配 する声も聞こえるようになっている。 3.乳製品向け輸出税の制度を改定(アルゼンチン) アルゼンチン農牧漁業食糧庁は、乳製品の輸出価格の上昇が国内価格に影響を与えずに、国内に安定供給を図 ることを目的とした「国内市場向け乳製品価格安定化計画」の中で、乳製品の輸出税の制度の改定を行った。こ れまで輸出額(FOB価格)の10%であった乳製品の輸出税について、これを輸出額の5%を最低とし、輸出額 (FOB価格)が政府の定める基準価格(例えば粉乳の場合1トン当たり2,100米ドル(23.3万円:1米ドル= 111円))を超過した場合、輸出税の割合が増加する算定式を定めた。 4.ブラジルパッカーによる買収が進む(アルゼンチン) アルゼンチンの食肉産業部門に投資するブラジル企業が増加している。アルゼンチンでは、Swift Armour(ブ ラジルのJBS社に買収)、Finexcor(米国のCargillに買収)、Carnes Pampeanas(米国のTyson Foodに買収)、 AB&P(ブラジルのMarfrigに買収)、Quickfood社(ブラジルのMarfrigに買収)の5社で、牛肉の総輸出量の 約5割を占めている。ブラジルの社会経済開発銀行(BNDES)による国内外の事業拡大のためのブラジル企 業への融資が、このようにブラジルの食肉パッカーが国外での買収を積極的に行っている背景の1つとみられる。 5.米国向け鶏肉製品輸出の解禁(チリ) チリ農業省は10月30日、米国農務省食品安全検査局がチリの認定施設からの鶏肉製品の輸出を承認する決定を 官報に公表したことを明らかにした。 チリと米国は2003年6月にFTAに調印、2004年から発効し、チリが輸出する場合、鶏肉製品については、10 年間で関税割当枠を段階的に拡大し、2013年以降無税とすることとしたが、衛生条件の合意に至るまでに時間を 要していた。関税割当数量は3年目の2006年の8,000トンからスタートし、2007年8,400トン、2008年8,820トン となっている。 6.農畜産部門への助成制度を制定(アルゼンチン) アルゼンチン経済生産省は1月12日、穀物および油糧種子(小麦、トウモロコシ、大豆、ひまわり)が国際市 場で高騰を続ける中、生活基本食料品の国内価格安定が政府の重要課題である一方、農業部門が国内供給を支え、 輸出を拡大し成長することも重視しているため、穀物および油糧種子を原料として用いる畜産経営、製粉業、油 脂製造業のうち、その製品を国内市場で販売する者に対する助成制度を定めた。 7.メルコスル地域一体となった口蹄疫対策を開始 1月18、19日、ブラジルのリオデジャネイロ市で開催された第32回メルコスル共同市場審議会において、メルコ スル口蹄疫清浄化パイロットプランを含む11のパイロットプランが承認された。 「メルコスル口蹄疫清浄化パイロットプラン」に対しては1,630万米ドル(18.1億円)が投入される。同プランの 目的はメルコスル地域全体の口蹄疫を根絶し、家畜の保護と国際市場へのアクセスを図ることにあり、国境地域 の家畜監視システムの導入に充てられている。 8.LL牛乳の品質改ざんにより監視強化(ブラジル) ブラジル衛生監視機構は11月29日、LL牛乳に含まれる酸度またはアルカリ度が法定基準外であったため、国 内乳業3社の製造するLL牛乳の一部ロットの販売を禁止した決議を官報に公表した。製品の賞味期限を引き延 ばすために不法な手法を用いていたとみられている。この事故を受け、ブラジル連邦検査局は、乳業への不定期 監査の実施や全ブランドのLL牛乳のサンプル検査など監視を強めている。 9.ウルグアイ産食肉の振興プロジェクトが始動 ウルグアイ国立食肉院は、ウルグアイ産食肉の主要市場における地位の確立、促進を目的とした「ウルグアイ・ ナチュラルクラブ」と題した外食店舗システムを通じた食肉振興プロジェクトを発足させた。ウルグアイ産「ナ チュラルミート」を海外の高品質製品の需要層を対象として振興するため、世界各地において外食店舗を展開す ることとしている。 10.アルゼンチン、国家畜産計画を承認 アルゼンチン農牧漁業食糧庁は6月19日、国家畜産計画を官報に公布した。同計画では、持続的成長が可能な 生産活力を生み出しながら、国内、海外市場への適切な供給のための牛飼養頭数の確保および牛肉供給の効率性 の改善を掲げ、@牛肉供給量の増加、A流通、情報システムおよび市場の透明性の改善−を目標としている。
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