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2005/06年度の冬穀物は前年度比6割減、夏穀物も減産予測(豪州)


06/07年度の冬穀物生産量、前年度比61%減の1,570万トン

 豪州農業資源経済局(ABARE)は2月20日、四半期ごとに発表している最新の穀物生産見通しを発表
した。これによると、収穫を終えた2006/07年度(7〜6月)の冬穀物の総生産量は1,570万トンと前年度比
61%の減少となった。これは、同じく干ばつにより大幅な減収を記録した1994/95年度の1,470万トン以来の
低水準となる。

 また、2006/07年度の夏穀物の生産量についても、干ばつの影響が続いたことで作付面積は大きく減少し、
前年度比59%減の190万トンと予測している。予測内容の概要は以下の通り。


干ばつの影響で大きな落ち込み

 冬穀物の生産見通しを品目別に見ると、小麦が前年度比61%減の981万9千トン、大麦が同62%減の372万
2千トン、カノーラは同64%減の51万3千トンと、いずれの生産量も長引く干ばつの影響により大きく落ち
込んだ。

 生産量を州別に見ると、小麦や大麦の生産が可能な州すべて(北部準州を除く)で軒並み減少しており、
特に最大の生産量を誇る西オーストラリア(WA)州では、干ばつによるは種時の水不足により小麦は前年
度比47%の減産となった。また、ニューサウスウェールズ(NSW)州やビクトリア(VIC)州でも、品目
により8割を超える減産となっている。





夏穀物生産量、いずれも大幅減との予測

 一方、2006/07年度の夏穀物の生産予測については、冬穀物同様、厳しい状況を予測している。厳しい干
ばつの影響で作付面積は前年度に比べて53%減少しており、品目別の生産見込みは、飼料用穀物として利用
されているソルガムが前年度比51%減の99万6千トン、綿実が同58%減の35万トンといずれも大幅な減産予
測となっている。また、米についても、かんがい用水の規制が強化されたことで、生産量は前年度比90%減
の11万トンとみられている。これは、ここ20年来の最低水準となる。






飼料用穀物価格は7〜9割幅で上昇

 干ばつによる穀物収量の減少は、主な飼料用穀物の価格を軒並み押し上げている。ABAREによると、
飼料用穀物の価格は、干ばつの影響が著しくなった2006年第3四半期(7〜9月)を境に急激に上昇してい
る。2007年第1四半期(1〜3月)の価格で見ると、前年同期との比較では主要品目を中心にいずれも7〜
9割の上昇となった。このため、干ばつの影響が続く中で飼料用の牧草不足に悩む肉牛生産農家や酪農家で
は、飼料用穀物に頼らざるを得ない状況にあり、今後の経営への影響拡大が懸念されている。








【シドニー駐在員 横田 徹 平成19年2月21日発】




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