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米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は2月14日、2016年までの農産物需給予測を公表した。この報告 書は、毎年この時期に公表され、今後10年間における穀物および畜産物など米国内における主要農産物の需給動 向が示されたものであり、今後、農業分野に関する議論が行われる際、指標の一つとして活用されることとなる。 トウモロコシ生産は従来の見込みよりもかなりの程度上方修正 ERSの予測によると、2007年度(2007年9月〜2008年8月)のトウモロコシ生産量は、作付面積および単収 の増加により、前年度比12%増の120億6,500万ブッシェル(3億1千万トン)になるものと見込まれている。ま た、生産量は中期的に見ても、2016年度まで継続的に増加傾向で推移することが見込まれ、同局が昨年公表した 中期予測と比べても、毎年1割程度上方修正される結果となっている。 一方、トウモロコシ需要も、生産を上回る水準で拡大傾向にあることから、当面の間は、主要な穀物価格の上 昇は避けられないものとされている。 しかし、需要の拡大傾向にも歯止めがかかるため、トウモロコシ生産者販売価格は、2009年度をピークに低下 傾向で推移するものと見込まれている。 食肉の生産・消費はともに当面の間減少の見込み 主要な食肉の需給予測を見ると、2007年の牛肉および豚肉の生産量は、それぞれ前年比3〜4%程度増加する ものの、その後は飼料コスト高の影響による飼養頭数の減少などから、ともに2011年までは減少傾向で推移する ものと見込まれている。 また、食肉生産量の減少は、近年、安定的に推移してきた米国内における食肉消費へ影響を及ぼすことが予測 されている。家きん肉などを含めた2007年における食肉全体の1人当たりの消費量は、前年比0.9%増の223.4ポ ンド(101.3キログラム)となるものの、その後2012年までは毎年前年を下回って推移し、2012年では2007年に比 べて5%程度落ち込むものと見込まれている。しかし、2013年以降は、生産量の増加などが見込まれることから、 食肉消費は緩やかに回復するものとされている。 一方、国内の食肉消費の減少分は、輸出市場へ仕向けられるものと予測され、特に、近年拡大を続ける豚肉輸 出は、2007年では過去最高となった2006年を4%程度上回り、その後も増加幅は近年に比べ縮小するものの、継 続的に増加するものと見込まれている。また、牛肉輸出についても、2003年以前の水準には届かないものの、2008 年以降も毎年3〜6%程度増加するものと見込まれている。 生乳の生産・消費はともに増加の見込み 生乳の生産量は、乳用牛飼養頭数がわずかに減少するものの、規模拡大の進展により1頭当たりの乳量が増加 することから、2007年以降も引き続き増加傾向で推移するものと見込まれている。しかし、飼料コストの増加が 制約要因となり、生産量の増加は低水準にとどまるものと見込まれている。 また、チーズおよび外食産業向け需要の拡大などにより、生乳需要については、増加傾向で推移するものとさ れているが、一方、飲用向け生乳の1人当たり消費量は、引き続き緩やかな減少傾向で推移するものと見込まれ ている。 なお、ERSは、飼料コストの増加により、生乳価格については、2011年まで高水準で推移するが、その後は 安定するものと予測している。 【ワシントン駐在員 唐澤 哲也 平成19年2月28日発】
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