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豪州、豚肉および鶏肉の中期需給見通しを公表


  豪州農業資源経済局(ABARE)は先ごろ、豪州の農畜産物の中期需給見通しに関する報告書を公表した。
この中で、鶏肉については、消費、輸出ともに増加傾向での推移としているが、豚肉については、消費増が予測さ
れる一方、生産の減少から輸入はさらに拡大するとみている。


豚肉の需給状況:コスト高で生産は減少、輸入が増加

  ABAREでは、2011/12年度の国内の豚肉生産量について、2004/05年度に比べ8.7%減となる35万5千トンを
予測している。これは、中期的に見ると、世界の豚肉生産量の増加から市場取引価格の低下が予測される中で、豪
州の豚肉生産構造の見直しや大幅なコスト削減が難しいことなどを背景として挙げている。

  豪州の豚肉産業は、飼料費が生産コスト全体の約6割を占めるなど、飼料価格の変動が豚肉生産に大きな影響を
及ぼすことになる。このため、2006/07年度では、干ばつによる飼料穀物価格の急騰で、豚肉生産は前年度比3.9%
減とみている。

  豚肉輸入については、国内生産の減少と堅調な消費を背景に、近年、増加傾向にある。輸入相手国はカナダやデ
ンマークが中心であるが、検疫制度の緩和により2004年後半から米国産豚肉の輸入も行われている。中期的に見る
と、2011/12年度の輸入量は10万7千トンと、2005/06年度実績と比べると5割近い増加を予測している。

  一方、豚肉輸出量については、豪ドル高で推移する為替相場や日本やシンガポールなどの主要輸出市場での価格
競争により、年々、減少してきた。中期的にも、アジア市場での価格競争力の低下が見込まれており、2011/12年
度の輸出量は3万3千トンと、2004/05年度に比べて25%の減少としている。


鶏肉の需給状況:生産、輸出ともにわずかながらも増加

  2006/07年度の鶏肉生産量についてABAREでは、手堅い国内消費を背景に前年度比3.1%増の84万2千トンと
している。当初見込みでは、より生産の拡大を予測していたが、飼料穀物価格の上昇でこれを下回る見込みとなっ
た。中期的な需給動向を見ると、鶏肉生産量は、堅調な国内消費や輸出需要により若干ながらも増加としており、
2011/12年度には90万7千トンまで拡大するとみている。また、鶏肉の一人当たりの年間消費量も年々増加し、2011
/12年度には2004/05年度に比べ5.5%増の39.9キログラムに達するとみている。(参考:牛肉は35.8キログラムの
予測)一方、鶏肉輸出については、豪ドル高が緩和されることで、わずかながらも増加を見込んでおり、2011/12年
度は生産量全体の2.9%に当たる2万6千トンとしている。







【シドニー駐在員 横田 徹 平成19年3月22日発】



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