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3年にわたる交渉の末合意 チリ農業省は10月30日、米国農務省食品安全検査局(USDA/FSIS)が12月3日以降、チリの認定施設 からの鶏肉製品の輸出を承認する決定を官報に公表したことを明らかにした。 チリと米国は2003年6月にFTAに調印、2004年から発効し、チリが輸出する場合、鶏肉製品については、10 年間で関税割当枠を段階的に拡大し、2013年以降無税とすることとしたが、衛生条件の合意に至るまでに時間を 要していた。関税割当数量は3年目の2006年の8,000トンからスタートし、2007年8,400トン、2008年8,820トンと なっている。 今回の承認に対し、チリのロハス農相は、「米国は鶏肉の主要な生産国であると同時に消費国でもあるが、輸 出が可能な国は事実上限られていることから、チリが同市場への重要な供給国となることを強く望んでいる」と 述べている。 現在、米国への鶏肉輸出については、その大半をカナダが占め、その他フランスやイスラエルなどがわずかと なっているが、今後はチリがカナダに並ぶ供給国となることが期待されている。また、業界では最初の船積みは 500万ドル(5億7,500万円:1ドル=115円)近くに上るとしており、さらに現在の鶏肉輸出量のおよそ50%が 米国向けで占められるようになるものと見込んでいる。 米国と同等以上の衛生水準を順守 FSISはチリの法令、規則、その他具体的な検査システムが、米国の家きん製品検査法と同等の要求を順守 しているとし、また、輸出に当たってチリの認定施設は、国内消費向けと米国輸出向けの加工処理工程が分離さ れていることが保証できるシステムを有していることが求められている。さらに、毎年実施される査察により、 FSISはチリ政府の認定施設が米国の要求を満たしているかどうかを評価することとなっている。 また、FSISは、米国へ輸出される製品が安全であることを保証するために認定施設の監査を実施し、ラベ ル貼付や包装が適正になされたことを確認することに加え、チリから米国に輸出される鶏肉製品はすべて、到着 港においてFSISによる再検査が必要とされる。この手続きには、製品重量、ラベルや証明書の適合、輸送上 の損傷、有害化学物質の残留に係る分析などが含まれている。 米国向け輸出の大幅増を期待 チリ農業省農業政策局(ODEPA)によると、2007年1〜9月までの鶏肉などの輸出量は4万531トン、輸 出額は1億233万ドル(117億7千万円)、主要な輸出先はメキシコ、香港、英国などとなっている。農業省では 米国向けについて、2008年の輸出額をおよそ1,400万ドル(16億1千万円)と見積もり、2010年にはこれの30% 増の1,800万ドル(20億7千万円)に達するとの見通しを立てている。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成19年11月7日発】
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