週報「海外駐在員情報」


平成19年11月13日号(通巻791号)


◎低迷が続くEUの子豚・豚肉価格 (full story)  
                                                             
【ブリュッセル駐在員 和田 剛 平成19年11月8日発】欧州委員会によれば、EUの9月の子豚平均価格は1頭
当たり30.03ユーロと前年同月比で28.7%、過去3年間の平均と比較しても22.4%低下しており、これはEU25と
なった2004年以降で最も低い水準となっている。また、9月の豚枝肉平均価格も前年同月比で7.5%と低迷してお
り、飼料価格の高騰と合わせ、養豚経営を圧迫している。このような状況に対処するため、EUでは10月29日よ
り豚肉の民間在庫補助を開始している。  
     

◎米国農務省、食肉の安全性確保対策を強化 (full story)

【ワシントン駐在員  唐澤 哲也 平成19年11月7日発】 米国農務省食品安全検査局 は11月3日、カナダからの
食肉・家きん肉輸入製品に対する病原性大腸菌O-157など食中毒の病原菌検査を拡充する方針を公表した。これ
は、米国内で本年9月末以降、大規模リコールに発展したトップスミート社製牛ひき肉のO-157感染原因が、カ
ナダから輸入された原料牛肉にあった可能性が高いとされたことによるものである。一方、米国内食肉処理施設
でも、本年に入り増大するO-157のリスクから公衆衛生を保護するため、現行の検査プログラムの拡充措置が図
られている。      

◎牛乳・乳製品などの小売価格上昇(豪州)(full story)                                
 
【シドニー駐在員  横田 徹 平成19年11月1日発】豪州統計局は10月25日、2007年9月期(四半期ごとに公表)
の消費者物価指数を公表した。食品全体では、前年同期比1.8%増(前回公表値比1.9%増)となった。畜産物に
ついて見ると、牛乳・乳製品、鶏卵、鶏肉が上昇する一方、牛肉、羊肉および豚肉については、前年並みまたは
前年を下回る水準となり、品目ごとに異なった傾向が見られる。また、鶏肉や牛乳・乳製品については、今後さ
らに小売価格を引き上げる動きが見られている。 

◎日本・タイ経済連携協定(JTEPA)が発効(タイ) (full story)

【シンガポール駐在員  林 義隆 平成19年11月8日発】日本とタイの経済連携協定(JTEPA)が11月1日に発効
した。JTEPAでは、日本への畜産物の市場アクセスについては、鶏肉が関税削減、豚肉調製品の一部が関税
割当の対象品目とされたほか、豚肉が再協議の対象となり、牛肉や指定乳製品などはJTEPAから除外とされ
た。タイ政府は、鶏肉調製品などの対日輸出拡大に期待を寄せているが、タイ畜産業界は、関税の下げ幅が小さ
いことや関税割当数量が少ないことなどから当面の影響は少ないとみており、総じて冷静な反応を示している。  
      

◎米国への鶏肉輸出の解禁(チリ)(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成19年11月7日発】チリ農業省は10月30日、米国農務省食品安全検査局が12
月3日以降、チリの認定施設からの鶏肉製品の輸出を承認する決定を官報に公表したことを明らかにした。チリ
と米国は2003年6月にFTAに調印、2004年から発効し、チリが輸出する場合、鶏肉製品については、10年間で関
税割当枠を段階的に拡大し、2013年以降無税とすることとしたが、衛生条件の合意に至るまでに時間を要して
いた。関税割当は3年目の2006年の8,000トンからスタートし、2007年8,400トン、2008年8,820トンとなってい
る。   

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