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07/08年度農畜産物輸出額、前年度比3.3%増を予測(豪州)


高水準の乳製品および穀物価格が農畜産物輸出額増加に寄与

  豪州農業資源経済局(ABARE)は9月24日、四半期(9月期)ごとに実施している2007/08年度におけ
る第一次産品の輸出などの予測を公表した。これによると、2007/08年度の農畜産物輸出額は、前年度比3.3%
増の284億8,900万豪ドル(2兆8,489億円:1豪ドル=100円)で、前回(6月期)公表値と同様に前年度を
上回ると予測している。牛肉や乳製品は、干ばつの影響などにより輸出量は前年度を下回るものの、乳製品や
穀物の輸出価格が高水準となることから、農畜産物全体の輸出額は前年度を上回るとしている。このうち、畜
産物については、同3.0%増の152億6,700万豪ドル(1兆5,267万豪ドル)となっている。


2007/08年度肉牛と畜頭数は、冬期以降の降水量不足で前回公表値より増加

  牛肉についてみると、2007/08年度肉用牛と畜頭数は、気象状況の改善に伴い牛群再構築が進むことから前
年度比5.3%減の860万頭と予測している。ただし、このと畜頭数は、冬から初春にかけて降水量不足となった
ため、前回公表値より30万頭増加した。また、牛肉生産量は、同5.8%減の209万6千トン(枝肉重量ベース)
となり、前回公表値より3万8千トン増加している。

  牛肉輸出量は、同7.6%減の90万トン(船積重量ベース)と前年度を下回る。国別では、日本、米国、韓国
の主要3カ国向けはいずれも前年度を下回り、特に韓国向けについては、2007年末までに、米国産骨付き牛肉
の韓国向け輸出が再開するため、同29.9%減の11万トンと大幅に減少すると見ている。牛肉輸出額は、同1.3
%減の45億7,300万豪ドル(4,573億円)を見込んでいる。





2007/08年度生乳生産は、今後の降水およびかんがい地域における水不足解消がカギ

  牛乳・乳製品についてみると、2007/08年度の生乳生産量予測は、前年度比3.7%減の922万5千キロリット
ルで、前回公表値を12万5千キロリットル下方修正した。これは、多くの酪農地域において前年度より降水量
の改善が見られるものの、かんがい地域、特にマレー・ダーリング集水域南部における農業用水の配分が厳し
く制限されており、この結果、粗飼料生産や酪農経営に大きな影響を及ぼしているためである。

  生乳生産者支払価格は、生乳生産量減少に加えて、乳製品国際価格が高騰していることから、前回公表値を
さらに上回る43豪セント/リットル(43円)となり、前年度を29.9%上回ると見ている。この結果、2007/08年
度における主要乳製品輸出量は、前年度比2〜4割減となるものの、輸出額は、同29.1%増の31億5,600万豪
ドル(3,156億円)と大幅に増加すると見ている。







◎ 干ばつ対策で相次ぎ追加支援を公表(豪州)

 豪州連邦政府は9月17日、干ばつ対策として4億3千万豪ドル(430億円)追加支援を公表した。また、9
月25日には、さらに今後2年間にわたり7億1,400万豪ドル(714億円)の救済パッケージを公表した。25日の
救済パッケージでは、新たに離農者に対する補償措置を導入するほか、これまで行っていた補助対象の適用
条件を緩和する措置などが盛り込まれている。

 この結果、2001年から行われている干ばつ対策費用は、約28億豪ドル(2,800億円)に及ぶこととなる。




【シドニー駐在員 井田 俊二 平成19年9月27日発】



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