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欧州の不作により欧州向け輸出が急増 ブラジルの2007年度(2007年7月から2008年6月まで)のトウモロコシ輸出量は約800万トンと見込まれていた が、好調な輸出を踏まえ、従前の見込みを上回る予測が聞かれるようになっている。 月別の輸出量を見ると、特に7月に入ってから一カ月当たり100万トンを超す量が輸出されており、その輸出先 を見ると欧州諸国の伸びが顕著である。 これは欧州において、6月以降の北部の豪雨による洪水、中東欧の熱波や干ばつの影響を受け、穀物生産量が 減少見込み(海外駐在員情報777号参照)であるためと見られる。 好調な輸出を踏まえ850万トンに見直し ブラジル農務省(MAPA)農業政策局の担当官は「欧州ではブラジルのトウモロコシを家畜飼料のみでなく、 小麦粉の不足を補うためにも利用しており、このため欧州向けの輸出増加の傾向は当分続くものと見込まれ、2007 年度の輸出量は1,000万トンを超える」と予測している。 また、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)も2007年度の輸出見込みを950万トン(従前は750万トン)に 見直している。 在庫量減少のため生産者価格も上昇 このように好調な輸出が続いていることから、生産者価格も上昇している。 ブラジル国内の2007年度の在庫量が893万トンになるという従前の予測により、生産者価格が最低価格(2008年 度農業プランによると当該地域のトウモロコシの最低価格は60キログラム当たり14.00レアル)を下回る状況 が見られたことから、7月には流通条件が不利な北部および中西部産トウモロコシを円滑に流通させるための 競売が行われたところ(海外駐在員情報777号参照)である。 しかしながらう件が不利な以降好調な輸出により、在庫量は当初予測893万トンから700万トンにまで減少する と見込まれる状況変化があり、生産者価格は再び上昇傾向にある。 【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成19年10月3日発】
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