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注目される粉乳輸出停止解除の判断(インド)


2月9日以降、9月30日まで粉乳の輸出を停止

  インドは年間約9千7百万トンの生乳生産量を誇る、世界最大の生乳生産国である(2005/06年度、水牛・ヤギ乳
を含む)。

  インド政府は、2007年2月1日、乳製品価格の高騰による国内の消費者価格上昇の懸念と、暑期(4〜5月)の
生産性低下に伴い予想される脱脂粉乳不足を解消するために、脱脂粉乳、全粉乳を含む粉乳の輸出の停止を決定し、
2月9日付け商工省商務局外国貿易部告示第45号でその内容を告示した。この輸出停止は、HSコード0402 10、
0402 21、0402 29(ミルク、クリームで、粉状、粒状その他固形状のもの)が対象とされ、カゼインは対象になっ
ていない。また、この措置は9月30日を期限としており、それ以降の取り扱いについては、9月末に状況を勘案し
て判断するとしている。


※ インドでは、4〜5月が暑期、6〜9月が雨期である。暑期には一頭当たりの乳量が低下するため、生乳生産量
   も低下する。


高値の海外価格を前に輸出停止措置の解除を期待する声

  豪州の干ばつや世界的な需要の拡大などにより記録的な高値で推移する海外の粉乳価格から、この輸出停止措置
の実施に加工業者の強い不満があった。

  現在は、雨期の適度な降雨により飼料作物の生育状況が良好だったことから、一部の地域ではすでに生乳が余剰
状態にあるとみられている。また、トウモロコシや配合飼料価格の高騰により、乳価を上げるよう求める農家の声
もある。こうした懸念を解消するためにも、加工業者は、海外価格が堅調なうちに、9月30日の期限で輸出停止措
置が解除されるよう期待している。



輸出停止の延長を模索する声も

  一方、輸出停止措置の解除は国内乳製品価格の更なる上昇をもたらすとして、輸出停止措置の延長に加え、粉乳
以外のカゼインといった対象品目の追加を模索する動きもあるとされる。
 
  報道によれば、日本の経団連に相当するインド工業連盟がこの問題に関する内部検討用として作成した資料には、
粉乳輸出が農家に与える利益はわずかであることや、粉乳輸出の再開に伴い国内の粉乳不足と価格上昇が懸念され
ることなどが挙げられているという。
 
  こうした国内の相反する意見を踏まえ、政府が輸出停止措置の解除に対してどのような判断を下すのかが注目さ
れる。



【シンガポール駐在員 佐々木 勝憲 平成19年9月6日発】



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