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チリ、オーガニック生産に関する規定を制定


遺伝子組み換え体の使用は禁止

 チリ農業省は8月27日、オーガニック製品の国家認証制度を創設した法律第20089号(2006年1月17日付け)の
実施細則を定めた政令第17号を官報に公布した。同政令はチリにおけるオーガニックや生物学的、生態学的必要
条件を満たした製品の生産、加工、表示および販売に関する要件を制定することを目的としている。また、有機
認定機関や小規模オーガニック農業者の登録および公式ロゴ使用の義務付けに関する規則も盛り込まれている。
 
  オーガニック生産全般の主な要件としては、@最終製品に「オーガニック」の名称が付されるのは、現規定に
定められた方法により、指定された目的のために許可された、製品のみを使用し生産された場合であり、遺伝子
組み換え体(GMO)の使用は禁止されているAオーガニック生産と従来の生産を並列で行うことも禁止されて
いるが、認定機関に対し、双方の生産が分離されて行われていることを書類上証明することが可能であれば、最
長5年の期間のみ並列の生産を認められるB土地の輪作使用も不可であり、これに違反した場合、「オーガニッ
ク」の条件を失効し、新たに要件を取得しなければならない−などが挙げられている。



畜産におけるオーガニック生産

 畜産においては、家畜の飼養条件、飼料給与、治療、と畜のほか、動物福祉の観点からの飼育環境の順守など
を定めた規則が適用される。
 なお、家畜は生涯を通じてオーガニック生産システムに由来するものでなくてはならないが、増頭または頭数
維持を目的に、オーガニック生産由来でない家畜を年間10%まで導入することが認められる。また、導入される
家畜は、@初乳を受け、家畜市場から導入されたものではない生後14日齢までの子牛、A放牧飼養の繁殖用家畜、
雌牛は未交配のもの、B妊娠3カ月までの乳牛、C生後2日までの鶏−についてはオーガニック生産と認められ
るが、これらの例外規定については、2009年1月1日まで有効となっており、あらかじめ認定機関の承認を受け
ることが必要とされている。 



オーガニックの表示は段階別に区別

 オーガニック製品の表示は「オーガニック100%」、「オーガニック」、「オーガニック製品で製造」または
「70%以下のオーガニック原料を含む」のいずれかを明記することとなっている。「オーガニック」と表示する
場合は、水分と塩分を除いた製品の原料重量の少なくとも95%がオーガニック由来であり、内容物のうち主要原
料の3品目を表記することとなっている。



チリにおけるオーガニック生産は拡大傾向

 2006年のチリにおけるオーガニック生産は、4万8千ヘクタールで行われており、前回調査時の2003年に比べ
86%増と大幅に増加している。また、輸出については、2004年は1,280万ドル(14億8千万円:1ドル=116円)
となり、このうち6割近くを米国向けが占め、次いで欧州(約30%)、日本(6%)となっている。2006年(推
定値)は2004年に比べ、56%増の2,000万ドル(23億2千万円)と大幅な伸びを示している。


 
  
   (オーガニック製品のロゴ)





【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成19年9月19日発】


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