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欧州委、2007〜13年の共同動物衛生政策に関する案に合意


 欧州委員会は9月19日、2007〜13年の共同動物衛生政策(Community Animal Health Policy:CAHP)に関
する案に合意した。これは動物衛生に関する問題を未然に防ぐため、「治療より予防を」を掲げ、家畜疾病の発
生の減少、疾病発生時の影響を最小限にするための予防対策などに重点的に取り組むものとなっており、今後の
動物衛生対策の枠組みとなっている。


「治療より予防を」

  CAHP制定の背景としては、EU市民の動物衛生問題について関心が高まっており、動物衛生がヒトの生命
に直接影響するという認識も強く持っていることが挙げられる。また、動物衛生はヒトの健康、食品の安全性、
経済発展などと密接に関係している。同委員会では、この政策を通じて家畜疾病の脅威を減少させ、市民の利益
が最大となることを目標としている。

  さらに、動物衛生に関する問題を未然に防ぐため、「治療より予防を」を掲げ、家畜疾病の発生の減少のほか、
疾病発生時における感染の影響を最小限にするため予防政策、疾病の監視、管理および研究を重点的に取り組む
こととしており、以下の4つの目標を挙げている。


  1.ヒトの健康に影響を及ぼす動物衛生問題のリスクを最小限にし、公衆衛生、食品の安全性の水準を引き上
      げる。

  2.家畜疾病の発生の予防、減少により動物の健康を促進し、農家や農業経済をサポートする。

  3.動物に関連するほかの分野における経済成長、結束、競争力の向上。

  4.家畜疾病の脅威を未然に防ぎ、環境への影響を最小限にする農業や動物福祉を推進し、EUの環境維持開
      発政策をサポートする。



予算の範囲内で実施

  CAHPは既に計画されている予算の範囲内で実施するとしている。なお、2013年には動物衛生、植物検疫関
連予算は4億5千万ユーロ(720億円:1ユーロ=160円)に達するとしている。2007〜13年の動物衛生、植物検
疫関連の全体予算は以下のとおり。





今後の対応

  2007年終わりまでに欧州理事会、欧州議会によるCAHP案の合意を予定しているが、それまでの間、欧州委
員会は、CAHPの目標達成のための具体的な実施計画を策定することとなっている。

  また、動物衛生は環境、農畜産業、貿易などの多くの異なった分野が関与することから、ほかの共同政策と連
結した統一的な取り組みが必要であるとしており、来年にはその取り組みを採用するとしている。



【ブリュッセル駐在員 小林 奈穂美 平成19年9月19日発】

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