2008年も鶏肉輸出は好調と見込まれる(ブラジル)
2008年度のトウモロコシ生産は順調の見込み
2007年末、ブラジルの養鶏経営を中心とした生産者は、
(1) トウモロコシ輸出が急増していること
(2) 中小家畜経営が多く立地する南東部や南部での生産量が減少見込みであること
(3) ラニーニャ現象による干ばつのおそれにより、見込み通り収穫できるかという懸念があること
から、2008年1月頃にトウモロコシの供給が不足することを懸念していた。
しかしながら、2008年1月下旬にブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)およびブラジル養鶏連合(UBA)に話を伺ったところ、「2008年1月の端境期は国内在庫で賄えたこと、2008年度(7月〜翌年6月)の収穫については、雨不足はみられるものの、トウモロコシの生育は順調である。」とのことであった。
需要増加から鶏肉生産は増加の見込み
2008年の鶏肉の国内生産については、
「2007年のブラジルの鶏肉生産量は1,027万トン(2006年935万トン、前年比9.8%増)と見ており、さら
なる国内消費量の拡大が期待されることから、2008年は1,070万トン(前年比4.1%増)」と予想している。
輸出については、
「丸どり需要の多い中東や鶏肉需要が伸びているアフリカ諸国を中心に、輸出を伸ばすことを期待しているが、大幅な増加は難しい」と予測している。
飼料価格の上昇の影響については、
「トウモロコシ生産者販売価格とブロイラー生産者販売価格の上昇率がほぼ同じであることから、生産コストは販売価格に反映されていると見ている。しかし消費者が支払える金額には限りがあるため、飼料価格がさらに上昇した場合、2008年の生産拡大を制限する要素となるかもしれない」と見ている。
このようにブラジルの鶏肉関係者は、需要の伸びに伴い鶏肉生産の更なる拡大を期待している。しかしながら飼料の自給が可能なブラジルにおいても、飼料価格の上昇は鶏肉生産にマイナスの影響を及ぼしかねないと見ている。
【松本 隆志 平成20年1月22日発】
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