穀物の輸出登録を再開(アルゼンチン)
市場の正常化を目指す
アルゼンチン農牧漁業食糧庁(SAGPyA)は1月30日、トウモロコシおよび小麦の輸出登録の再開を定めた決議第80/2008号および第81/2008号を公布した。SAGPyAは、今回の再開によって穀物市場を正常化し、生産者に対しては、公正で均衡した条件での穀物の販売を保証するとしている。
トウモロコシの輸出登録再開は、次期収穫トウモロコシの販売に便宜を与えることを目的とし、輸出業者は船積み期間が2月15日以降で、船積み開始日が登録日から30日以内の輸出業務の申告書を登録することができる。ただし、船積みされる商品がすべて50キログラム以下の袋詰めの場合はこの限りではなく、それ以前の登録が可能としている。また、船積み期間は自動的に15日間までの延長が認められている。
小麦には1月当たり40万トンの上限枠を設定
一方、小麦については、200万トンと推定される輸出余剰分を商品化することを目的に、3月1日以降、船積みを開始する輸出業務の登録を再開するとしている。業者は船積み期間が登録日から15日以内の輸出業務の申告書を登録することができ、トウモロコシと同様に船積み期間は自動的に15日間まで延長が認められる。なお、1企業は1日当たり1万2千トンを超える登録はできない。また、1月当たり40万トンの上限枠を設定し、輸出申告がこれを超えた場合、登録を停止するとしている。
関係者は再開を歓迎
小麦の最大の輸入先であるブラジルでは、アルゼンチンの輸出登録停止措置に対し、小麦の国内供給不足を避けるため、カナダや米国からの輸入を容易にするべく、メルコスル域外の関税の引き下げを検討していたが、今回の再開により、対外共通関税10%を変更せずに維持することを決定した。ブラジルの小麦輸入の約9割がアルゼンチンからとなっている。
また、アルゼンチントウモロコシ協会(MAIZAR)は、「今回の措置により、トウモロコシへの作付け意欲も回復し、今後、生産量の大幅な拡大を可能にするだろう」と輸出登録再開への歓迎の意を表し、さらに国際市場におけるアルゼンチンの地位の回復を大いに期待している。
【横打 友恵 平成20年2月1日発】
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