大豆、ひまわりの輸出税を引き上げ(アルゼンチン)
トウモロコシや小麦の生産に優位性を与えることも狙い
アルゼンチン政府は穀物の輸出税の算定方式を改める経済生産省決議125/2008号(2008年3月10日付け)を公布した。同決議に示された算定式を基に、1トン当たりのFOB価格をトウモロコシ217米ドル、大豆515米ドル、小麦345米ドル、ひまわり569米ドルとして輸出税率を算出すると、それぞれトウモロコシ24.2%(これまでは25%)、大豆44.1%(同35%)、小麦27.1%(同28%)、ひまわり39.1%(同32%)となり、大豆とひまわりは引き上げ、トウモロコシと小麦は引き下げとなる。
この発表に当たり、ルストー経済生産大臣は「国内価格と輸出価格の切り離しが進み、インフレ圧力の低減により効率的である。また、重要な食料であるトウモロコシや小麦の生産に向けた意欲向上につながり、大豆の拡大傾向を抑制することが可能となる。畜産も農業と競争できることになる。」と述べ、これにより国内のインフレ圧力を緩和し、小麦や畜産の競争力が増すことを期待している。
生産者団体は13日からスト
一方、生産者団体の反応を見ると、アルゼンチン農牧協会(SRA)のミーゲンス会長は「成功のた
め努力を重ねている部門に対する新たな攻撃である。政府は展望なしに措置を決定している。」、またアルゼンチン農牧連盟(CRA)のルーレット副会長は、「生産者への利益は無い。政府の税収の問題である。」と厳しく批判し、同決議が公布された翌日となる3月13日から、SRA、CRA、アルゼンチン農業連合会(FAA)、農協連盟(CONINAGRO)が全国的な規模で48時間ストライキを実施し、農畜産物の出荷を停止している。
穀物の輸出税の算定に用いられる式
d=(VB+AM×(FOB−VC))/FOB×100 |
注: |
dは輸出税率
FOBはアルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)が示す1トン当たりの価格(米ドル)
VB、AM、VCは表に定められた値 |
トウモロコシに適用される表
トウモロコシの輸出税率24.2% =(36+0.45×(217−180))/217×100
大豆に適用される表
大豆の輸出税率44.1% =(215+0.81×(515−500))/515×100
(大豆油は大豆の輸出税率から4%、大豆油かすは3%差し引き)
小麦に適用される表
小麦の輸出税率27.1% =(72+0.48×(345−300))/345×100
ひまわりに適用される表
ひまわりの輸出税率39.1% =(169+0.78×(569−500))/569×100
【松本 隆志 平成20年3月13日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤原)
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