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生産者団体はストを続行(アルゼンチン)

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大統領との会合も和解に至らず

 5月15日、生産者団体はストライキ活動を継続することを表明した。

 5月14日には、フェルナンデス大統領と生産者団体各会長との会合も開催され、和解に向けた期待が高まったが、輸出税の見直しに関する提案が無いことから、ストライキ活動の続行に至ったとみられる。

 なお、牛肉の輸出業務登録に関する規定を見直したことについては既報であるが、牛肉関係者によると「輸出が許可されないため、各食肉パッカーの輸出部門は操業停止が続いている」とのことである。
また、穀物を輸送する車両を停止させているため、スーパーマーケットの食用油のコーナーではトウモロコシ油、大豆油の不足が目立っている。穀物関係者によると「道路封鎖により、穀物が輸出港にほぼ全く届かない状況が続いている」とのことである。

ポスターによる広報活動も実施

 ストライキ活動の焦点となっている輸出税の引き上げの目的の1つは、食品価格の上昇などインフレ圧力の低減である。

 以下のポスターは、生産者団体が発行しているものである。このポスターは街中に張り付けられており、生産者価格(緑で囲まれた数字)と小売価格(橙で囲まれた数字)が大きくかけ離れていること、生産者も消費者もインフレで損失を受けていることを強調することにより、ストライキ活動に対する一般消費者の理解を得ようとしているとみられる。
ポスター
注1: 1段目左から、牛肉、豚肉、鶏肉、ジャガイモ、2段目左から、リンゴ、オレンジ、レタス、カボチャ、3段目左から、ニンジン、砂糖、牛乳、チーズ、4段目左から、オリーブ、ワイン、サツマイモ、マテ茶
注2: 例えば牛肉の場合、生産者価格1kg当たり3.50(116円、1ペソ=33円)ペソに対し、小売価格1kg当たり18.90ペソ(624円)
【松本 隆志 平成20年5月16日発】
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