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穀物輸出に関する管理を強化(アルゼンチン)

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 国家農牧取引監督機構(ONCCA)は、小麦および小麦製品の輸出のための履行すべき条件を定めたONCCA決議543/2008号(2008年5月28日付け)を公布した。

 ONCCAは、関係機関から国内在庫量、生産量、輸入量、国内需要量に関した情報提供を受けた上で、輸出可能量(=国内在庫量+生産量+輸入量−国内需要量)を算出し、将来の供給不安に備え、輸出可能量を20%割り引いた量を輸出許可量とすることとしている。輸出業者に対する輸出許可量の配分は、これまでの輸出実績などを基に、すべての輸出業者が機会を与えられるように調整するとされている。この仕組みの狙いは、国内需要に対する供給を保証し、インフレ圧力を回避するため措置であると見られる。

 また輸出業者は「ROE−VERDE(穀物輸出業務登録証明書)」と呼ばれる証明書を提出することとなる。

 ROE−VERDEの記述項目 

(1) 輸出業者名
(2) 輸入先責任者
(3) 収穫年
(4) 輸出量
(5) FOB価格
 また同決議の対象品目は小麦および小麦製品であるが、大豆、トウモロコシ、ヒマワリなどについても、いずれ同様の措置が採られると見られる。

政府は穀物の輸出税率の見直しを提案

 一方、穀物流通については、ストライキ活動により農畜産物の流通の停滞している。

 政府は5月29日、穀物の輸出税率を見直す提案を行った。しかし提案は、トウモロコシ1トン当たりFOB価格300米ドル以上、大豆1トン当たりFOB価格600米ドル以上など大幅に穀物価格が上昇した場合、輸出税率は若干引き下がるが、現状以下の穀物価格では輸出税率は変わらないものであったため、生産者団体は政府提案を受け入れなかった。

 また、生産者団体のストライキ活動に反発したトラック輸送団体が、主要農業地域での道路封鎖を始めている。
【松本 隆志 平成20年6月6日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤原)
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