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トウモロコシの輸出登録を停止(アルゼンチン)

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関係団体は停止措置を批判

 アルゼンチン政府は、穀物・油糧種子に関する輸出登録に関する国家農牧取引監督機構(ONCCA)決議543/2008号(2008年5月28日付け)に基づき、9月中旬頃からトウモロコシの輸出に対する輸出許可証の発行を停止している。

 これに対してアルゼンチントウモロコシ協会(MAIZAR)は、「トウモロコシの生産拡大のためには、明確な規則が必要である。今回の措置は、海外の需要者に不安をもたらし、市場取引を脅かし、生産意欲を減退させ、貿易収入を減少させる。」と批判している。

再開時期は未定

 アルゼンチンでのトウモロコシの収穫は最も早い地域で2月から始まることから、3月を起点とした年度でトウモロコシの輸出量を見たものが以下の表である。2008年度は7月までで1,056万トンとなっており、関係者は9月までで1,300万トンが輸出されたとみている。

 これまで穀物・油糧種子の輸出登録を停止した場合は、関連決議が公布されていたが、ONCCA決議543/2008号により、ONCCAが算出する国内供給量から国内需要量を引いた輸出可能量まで輸出を認めるとしたことから、今回の措置に関する公式発表は行われていない。

 また、昨年も今回と同様の措置がとられたが、輸出登録が開始されたのは、次年度産の収穫が始まる2月であったことから、関係者は次年度産の収穫時期まで輸出登録は再開されないであろうとみている。
トウモロコシの輸出量

(参考)穀物・油糧種子の輸出に関する規則の概要

1.2008年5月28日付けONCCA決議543/2008号

(1) ONCCAは、関係機関から国内在庫量、生産量、輸入量、国内需要量に関した情報提供を受けた上で、輸出可能量(=国内在庫量+生産量+輸入量−国内需要量)を算出し、将来の供給不安に備え、輸出可能量を20%割り引いた量を輸出許可量とすることとしている。
(2) 輸出業者に対する輸出許可量の配分は、これまでの輸出実績などを基に、すべての輸出業者に機会を与えられるように調整するとされている。
(3) 輸出業者は「ROE−VERDE(穀物輸出業務登録証明書)」と呼ばれる証明書を提出することとなる。
(4) 輸出業者は、輸出販売の申告から45日以内に出荷し、船積みされる際に税金を支払わねばならない。
ROE-VERDEの記述項目

2.2008年8月14日付けONCCA決議2846/2008号

輸出業者が税金を前払いすれば、輸出販売の申告から、小麦は90日以内、トウモロコシは120日以内、大豆その他は180日以内に出荷し、船積みできる。
【松本 隆志 平成20年9月24日発】
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