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9月までの牛肉輸出量は前年比2割減(アルゼンチン)

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ヒルトン枠などが大幅減

 国家動植物衛生機構(SENASA)によると、2008年1月〜9月までのアルゼンチンの牛肉輸出量(生鮮、冷蔵および冷凍、製品重量ベ−ス)は、前年同期比18.5%減の約27万2千トンとなった。品目別では特に、一定基準を満たす骨なし高級生鮮牛肉に関する関税割当制度(通称ヒルトン枠)に基づくEU向け輸出が、同37.1%減の1万2千トンと減少幅が大きかった。また、加工肉が同23.8%減の2万2千トンなどとなった。

 主要輸出国/地域(上位5カ国/地域)別に見ると、最大の輸出先であるロシアをはじめ各国とも軒並み減少し、ロシアは同7.3%減の7万3千トンとなった。また、チリは同国でパラグアイやウルグアイからの輸入が増加したことから、同50.5%減の1万9千トンとなった。
品目別輸出量

一連の牛肉輸出制限の影響が大

 この原因としては、政府の一連の牛肉輸出制限の影響が大きい。牛肉の輸出制限は、決議24/2007号により2008年1月から3カ月間延長されたことから、1月〜3月までに認められた牛肉輸出の最低保証枠は、月間4万トンであった(ヒルトン枠を除く)。しかし、この決議が3月31日に失効した以降、4月17日に政府と業界団体の協議で最低保証枠が4万5千トンで合意されるまで牛肉輸出は、停止していた。

 さらに、5月6日付けで政府は規則改正により「牛肉輸出のため履行すべき条件を定めたONCCA決議42/08号」を公布し、これ以後、「ROE-ROJO(輸出業務登録証明書)」と呼ばれる申請書に牛肉製品の保管可能量などについてより詳細に記述して提出することとなった。また、食肉パッカーの保管可能量の75%は国内向けに供給することなどとされた。この結果、ヒルトン枠について、2007/08年度の契約分が一部不履行になるとともに、例年6月ごろに当該年度の数量配分が決定されるにもかかわらず2008/09年度の数量配分は、10月まで決定が延期された。

 なお、ウルグアイの一部報道によれば、同国の2008年1月から9月までの牛肉輸出量(生鮮牛肉および加工肉)は19万6千トンと、史上初めてアルゼンチンの輸出量を上回ったとのことである。

今回の国際金融危機で一部輸出パッカーなどの経営はさらに苦境へ

 輸出パッカーや業界関係者によれば、米国に端を発した今回の国際金融危機は、ヒルトン枠やロシア向けなどを中心にアルゼンチンの牛肉輸出にも影響を及ぼし始めている。ヒルトン枠の輸出価格は、これまでトン当たり約21,000ドル(約207万9千円:1ドル99円)であったが、金融危機後は同11,000ドル(108万9千円)前後であるという。こうした結果、一部では、工場の操業停止や従業員の夏期休暇前倒しなどが行われているとのことである。なお、自動車産業の不振により、皮革の輸出にも影響が出てきているとのことである。
現在の牛肉輸出制限に加えて、今回の国際金融危機の影響により輸出がさらに減少すれば、同国の輸出パッカーなどの経営は、さらに苦境に追い込まれることが予想される。
【石井 清栄 平成20年11月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:藤原)
Tel:03-3583-9805



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