この域内輸入業者の値引き圧力を回避するため、2008年8月にブラジル政府は、EU向け家きん肉の関税割当の量的管理について、以下のように設定した。
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EU向け家きん肉の関税割当量の90%は、2005年7月より2008年6月までの輸出実績に基づきブラジル輸出業者ごとに割り当て |
(2) |
残りの10%は、輸出実績の無い新規参入業者に割り当て |
しかしながら、欧州委員会は、新規参入業者の割合をより高めるべきと主張し、ブラジル政府の決定に同意せず、輸入許可証の発行を停止した。
このため、ブラジル政府と欧州委員会の間で協議が続けられていたところ、2008年11月19日にブラジル開発商工省貿易局(SECEX)は、以下の内容で合意に達したと発表した。
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EU向け家きん肉の関税割当量の60%は、2005年7月より2008年6月までの輸出実績に基づきブラジル輸出業者ごとに割り当て |
(2) |
同10%は、輸出実績の無い新規参入業者に割り当て |
(3) |
残りの30%は、輸出実績にかかわらずブラジル輸出業者に割り当て |
これまで、域内輸入業者は、個別にブラジル輸出業者と交渉し、最良の条件を示したブラジル輸出業者から輸入許可証の枠内まで輸入することができたが、今回の合意により、ブラジル輸出業者も輸出枠を持つことになり、EU輸入業者の値引き圧力の軽減が期待される。こうしたことから、ブラジル政府は、
「この合意は、欧州委員会がEU向け家きん肉の関税割当の量的管理についてブラジルと共有することを認めたもので、ブラジルにとって大きな進展になる。」と述べている。