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ブラジル産牛肉に対する衛生管理基準の厳格化を決定(EU)

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 EUのフードチェーン・家畜衛生常設委員会は12月20日、ブラジル産牛肉に対する衛生管理基準の厳格化に関する欧州委員会の提案を承認した。これにより、ブラジルは、2008年1月31日以降、EUの求める衛生管理基準を満たす農場において飼養された牛由来の牛肉しかEUに輸出できないこととなる。

11月の再調査でブラジルがEUの求める衛生管理基準を満たしていないと判断

 EUの食品獣医局(FVO)は、本年3月にブラジルの口蹄疫管理、ワクチン接種の管理プログラム、個体識別制度など家畜衛生管理に関する現地調査を実施した。この調査結果については、本年11月8日付けで、口蹄疫の管理状況、ワクチンの管理プログラム、牛個体識別の制度などについて、全般的に改善が見られると評価する一方、ブラジル政府に対し、個体識別やトレーサビリティ制度の改善などを要求している。
 
 この動きとは別に、アイルランドおよびイギリスの生産者団体は、本年5月にブラジルにおいて牛の飼養管理の実態などを現地調査し、個体識別やトレーサビリティ制度が厳密に運用されておらず、EUの消費者の健康にリスクを与える恐れがあるとの結果を取りまとめていた。この報告を基に、7月には、アイルランドやイギリスの欧州議会議員が中心となりブラジル産牛肉の輸入停止を欧州議会で主張していた。
 
 このような中、FVOは本年11月6〜19日に、改善を必要とする個体識別やトレーサビリティ制度の現状を中心に再調査したが、その結果、ブラジル側はEUの求める衛生管理基準に依然対応できていないと結論づけ、同国産牛肉の完全な輸入停止を避けるためには、EUの家畜衛生水準の維持のため輸入される牛肉の衛生管理基準の厳格化が必要と判断した。

ブラジル産牛肉の輸入減少の影響を懸念

 今回の措置では、EUへ牛肉輸出が認められる牛は、個体識別ができ、またブラジルの牛個体識別制度(SISBOV)に登録していることが条件となる。EUへ牛肉輸出が認められる登録農場は、飼養するすべての牛がこの条件を満たす必要があり、さらにEUの要求する衛生管理基準などを満たす農場をブラジルの主管当局が選定する。FVOはこれらの農場がEUの要求する衛生基準を満たすか確認を行うとし、必要に応じ選定農場は見直されることとなる。牛の飼養に関しては、と畜前の最低90日間、EUの認める地域で飼養されること、かつ、と畜前の最低40日間、EUへ牛肉輸出が認められる登録農場で飼養されることが条件となる。ただし、本措置が実施される2008年1月31日前に輸出される牛肉については、同年3月15日までは輸入が認められる。
 
 欧州委員会は、本措置によりEUに輸出が認められる農場は、SISBOVに参加している現行の約1万農場のうちわずか300農場に満たないと予測している模様である。このため、EUへの牛肉輸入の半分以上を占めるブラジル産牛肉の輸入量の減少が予測され、これによるEU域内の牛肉需給への影響が懸念される。
【和田 剛 平成19年12月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
Tel:03-3583-9535



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