穀物の輸入関税一時的にゼロとする措置を延長(EU)
欧州委員会のフィッシャー・ボエル委員(農業・農村開発担当)は6月13日、世界的に厳しい穀物需給および価格高騰に対処するため、2007年12月20日より実施している穀物の輸入関税を一時的にゼロとする措置について当初の期限を2008年6月30日までとしていたが、価格が高水準で推移するなど、引き続き厳しい状況が続いていることから、この措置を2009年6月30日まで延長することを公表した。
生産の大幅な増加が期待されるものの、依然、厳しい状況が続くと予測
EUの2008/09年度の穀物生産は、欧州委員会の予測によれば休耕義務の一時的解除などにより前年度比14.3%増の2億9,505万トンとかなり大きく増加すると見込んでいる。
しかし、EUでは、2008/09穀物年度(7月〜6月)の需給について、依然、穀物価格が高水準で推移し、かつ世界的に在庫水準が低いレベルとなるとして、引き続き厳しい状況が続くと予測している。このことから、需給の安定のため、輸入関税をゼロとする措置を継続することが必要として、今回の適用期間の延長となった。
委員会では、今後、穀物市場に大きな変化があれば、2008/09年度内に輸入関税の再導入を行うとしている。
なお、今回より今までゼロ関税の適用から除外されていたキビ、ソバ粉についても適用することとなっている。
【小林 奈穂美 平成20年6月16日発】
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