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義務的休耕制度の廃止案に合意する見通し(EU)

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生産者は穀物需給に応じた耕地利用計画を立てることが可能に

 欧州の農相理事会の準備・補佐機関である特別農業委員会は6月30日、5月に提出された共通農業政策(CAP)の中間検証作業として行う「ヘルスチェック」の委員会案における、義務的休耕(セットアサイド)制度の廃止について、加盟国の圧倒的多数の合意により採択されるとの結論を出したことを公表した。

 これまでの議論の中で、ベルギーから休耕率をゼロとした上で義務的休耕制度自体は維持する意見が出されていたが、EUをはじめ世界的に厳しい穀物需給がさらに厳しい状況となっていることからこのような結論が出された。

 CAPの見直しについては2008年末までに最終決定される予定となっているが、今回の結論により、義務的休耕制度の廃止について各国の最終合意が得られる見通しとなった。

 既に、2008年秋および2009年春には種する耕地について、その義務的休耕率をゼロとしているが、それ以降は制度廃止により、生産者は穀物需給の状況を反映した耕地の利用計画を立てることが可能となる。

EUにおけるセットアサイド制度の概要

 EUでは、穀物生産を抑制するためセットアサイド制度が、自主的な取り組みとして88年に導入され、その後92年からは直接支払い受給のための要件として、一定割合の休耕が義務付けられた。2003年からは1ヘクタールの耕地に一定割合の休耕地を組み込むことにより生産者を単位とした直接支払い(デカップリング)の受給資格を得ることになっている。

 義務的休耕率については、毎年決定されることとなっているが、99年以降、簡素化のために原則10%に固定されていた。さらに、2007年9月には厳しい穀物需給を背景に、2007年秋および2008年春に播種する耕地についてはゼロとしていた。
【小林 奈穂美 平成20年7月4日発】
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