EU、豚肉などの輸出補助金をゼロに引き下げ
EUの豚肉管理委員会は8月7日、豚枝肉などに対する輸出補助金をゼロに引き下げる決定をし、8月8日よりこの措置を開始した。
回復を見せるEUの豚肉需給
EUでは、2007年に入り飼料価格が高騰する中で、豚肉の生産過多により豚肉需給の低迷が続いたことから、この厳しい需給に対処するため、同年11月30日よりEU域外すべての国に輸出する豚枝肉などに対する輸出補助金の一時再開をしていた。
この輸出補助金や同年10月29日に開始した豚肉の民間在庫補助(APS)の措置などの効果により、2008年に入り需給の回復が見られ、2008年7月の豚枝肉の価格を見ると、2007年11月(100キログラム当たり130.13ユーロ(約2万1千円:1ユーロ=163円))と比較して、約3割高の同168.55ユーロ(約2万7千円)となった。また、直近の8月4日の週の平均価格は174.61ユーロ(約2万8千円)まで上がっており、引き続き好調に推移している。
これと併せて欧州委員会では、2008年下半期の豚肉生産は減少すると予測していることから、総合的に判断して輸出補助金をゼロに引き下げる決定となった。
同委員会では、引き続き豚肉需給状況を注視し、状況に応じた措置を講じるとしている。
【小林 奈穂美 平成20年8月19日発】
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