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欧州委、2008年のTSE監視結果に関する報告書を公表

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EU全体でのBSEに関する検査頭数は約969万頭

 欧州委員会は今般、2007年に各加盟国において実施された伝達性海綿状脳症(TSE)に関する反すう家畜の監視結果報告書を公表した。
(詳細:欧州委員会;
 TSEのうちBSEに関する検査は、EU加盟27カ国で約969万頭を対象に実施された。

 検査対象区分別にみると、BSE様の症状またはその疑いがある牛を対象とした受動的監視(Passive surveillance)によるものは、全体の0.02%に相当する1,867頭であった。それ以外の大部分は能動的監視(Active Monitoring)であり、通常にと畜された健康牛では、30カ月齢※を超える牛を対象に、同85%に相当する約824万頭が、死亡牛などのいわゆるリスク牛を対象に同15%に相当する約145万頭がそれぞれ実施された。

※ドイツ、スペインではEUにおける健康牛の検査対象月齢を自主的に引き下げ、24か月齢以上となっている。

BSE陽性牛頭数は年々減少

 2007年のBSE陽性牛の頭数は175頭となり、前年の320頭に比べ約45%減と大幅な減少となっており、EUで講じられているBSE対策が有効に機能していることがうかがえる。

 BSE陽性牛の月齢を見ると、ポーランドで確認された2頭以外は60か月齢超で、平均月齢は、通常にと畜された健康牛については119.2カ月齢、リスクのある牛については131.5カ月齢となり、それぞれ前年に比べ上昇している。

 また、陽性牛の頭数を検査対象区分ごとにみると、受動的監視によるものが17頭(全体の10%)、能動的監視によるものは158頭(同90%)であった。
図1 EUのBSE陽性牛頭数の推移
図2 BSE陽性牛の年齢分布

英国での確認頭数、大幅に減少

 陽性牛は13カ国で確認されており、加盟国別に見ると英国が依然として最多となっているものの、前年の約半分の65頭で、初の二ケタ台となっている。そのほか、スペイン40頭、アイルランド25頭、ポルトガル14頭が続いており、それぞれ前年比、41%、34%、58%の減少となっている。なお、昨年までBSE陽性牛が確認されていたベルギーは2007年においてはゼロとなっている。
加盟国別BSE陽性牛頭数の推移
【小林 奈穂美 平成20年9月3日発】
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