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欧州食品安全機関が中国産チョコレートなどの摂取に関するリスク評価を緊急実施

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 欧州食品安全機関(EFSA)は、中国産粉ミルクなどで高濃度のメラミンが検出されている問題に関し、9月19日に欧州委員会保健・消費者保護総局(DG Sanco)より、メラミンに汚染された中国産乳製品を含む可能性のある食品の摂取に関する緊急のリスク評価を実施するよう要請されたことを発表した。

 DG Sancoは、この要請の理由を以下のとおり説明し、9月24日までに科学的助言を行うよう求めている。

中国産牛乳・乳製品のEU域内への輸入はEU規則により禁止されているものの、貿易統計上相当量のビスケットや菓子類(チョコレート)が中国からEU域内へ輸入されており、各加盟国当局および輸入業者は、輸入したこれらの食品 にメラミンが含まれているかどうか確認するよう求められている。

これまでのところ、EU域内にメラミンを含む食品が輸入されたという事実は確認されていない。しかしながら、欧州委員会は、中国における乳児用粉ミルクおよびその他の乳製品についてのメラミン混入に関するデータの提供を受けており、このデータに基づき、メラミンを含む牛乳・乳製品から製造されたビスケットや菓子類(特にチョコレート)の摂取により、最悪のケースを想定した場合、EUの消費者がどのような影響を受ける可能性があるのか評価を行うことが適切である。

 一方、要請を受けたEFSA側も、9月22日の週内にEFSAのウェブサイト上で科学的助言を公表する方針を発表している。DG Sancoは2007年2月に米国で発生したメラミンが混入したペットフードの問題でも同様の要請をEFSAに行っており、EUの消費者の不安を一刻も早く解消したいという側面もありそうだ。
【前間 聡 平成20年9月23日発】
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