欧州食品安全機関が中国産菓子類の摂取に関するリスク評価結果を公表
欧州食品安全機関(EFSA)は9月25日、メラミンに汚染された中国産乳製品を含む可能性のある食品の摂取に関するリスク評価結果を公表した。
これによれば、ヨーロッパ在住の成人の場合、最悪のシナリオでもEFSAが設定した許容一日摂取量(TDI)である体重1キログラム当たり0.5ミリグラムを超えないとされた。一方、ヨーロッパ在住の子供の場合、普通にビスケット、ミルクキャンディおよびチョコレートを摂取してもTDIを超えないものの、最悪のシナリオ、すなわち、これまで中国で確認された中で最高の汚染濃度(約2,500mg/kg)の原料を用いたビスケットまたはチョコレートを大量に摂取した場合、それぞれTDIを超える可能性があるとされている。
成人と子供でこのような違いが生じたのは、シナリオの設定上、子供の体重(20キログラム)は成人の体重(60キログラム)の1/3であるにもかかわらず、摂取するビスケットまたはチョコレートの量は同一としたため、結果的に子供の値が成人の値の3倍となったことによるもので、この意味からもかなり極端なシナリオと考えることができよう。
実際EFSAは、上記のリスク評価結果を公表した資料の末文に、「現時点では、そのような高濃度の暴露を受けるというシナリオがヨーロッパで起こり得るかどうかわからない。」と強調し、冷静な対応を求めている。
【前間 聡 平成20年9月25日発】
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