欧州委がバターの民間在庫補助の2カ月前倒し実施を発表
低迷するバターの域内価格に対処するための機動的な措置
既報(「畜産の情報2008年12月号」)のとおり、バターの域内価格が昨年の秋以降低迷しており、直近では介入価格246.39ユーロ/100キログラム(28,828円:1ユーロ=117円)を下回る事態となっている。
資料:ZMP、農畜産業振興機構調べ
注:バターの域内価格はオランダのブランドバター価格
この状況に対応するため、欧州委員会は11月29日付けの官報において、2009年3月1日から開始される予定であった民間在庫補助を2カ月前倒しし、2009年1月1日から開始することを発表した。これは、現在の危機的状況に対処するための機動的な措置として11月13日の運営委員会を経て決定・公表されたもので、バターの域内価格を押し上げる効果をもたらすことが期待されている。
なお、民間在庫補助の詳細は以下のとおりとなっている。
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保管開始期間 |
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2009年1月1日から8月15日まで |
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放出開始時期 |
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2009年8月16日から
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補助単価 |
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(1) |
固定経費 |
15.62ユーロ/トン |
(同1,828円) |
(2) |
保管経費 |
0.44ユーロ/トン・日 |
(同 51円) |
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補助対象期間 |
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放出日まで
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(最長の場合でも2010年の民間在庫補助開始の前日(2010年2月末日)まで) |
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従前は補助対象とはならなかった既に倉庫に保管されている製品についても、製造から28日以内であれば当局への申請日の翌日から補助対象となる。 |
【前間 聡 平成20年12月5日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
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