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養豚の経営不振は飼料コスト高が要因と報告(豪州)

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豚肉輸入セーフガード措置の発動は見送り

 豪州農漁林業省(DAFF)は4月4日、生産性委員会(PC)が実施した豚肉輸入のセーフガード措置に関する調査の最終報告書を公表した。これによると、近年の国内養豚農家における経営不振は豚肉輸入の増加によるものでなく、飼料穀物価格の高騰に伴うコスト高が主な要因であるため、豚肉輸入セーフガード措置の発動に正当性は認められないと結論付けている。この調査結果は、今後、世界貿易機関(WTO)に通知され、その結果、豪州の豚肉生産者団体が要請していた豚肉輸入のセーフガード措置の発動は見送られることとなる。

WTOの規定に基づく調査を実施

 豪州養豚業界は、近年、飼料穀物価格の高騰、輸入豚肉の増加などの影響により厳しい経営環境に陥っており、養豚経営の中止や豚肉生産量の減少につながっている。このため業界では、海外から補助金付きの安価な豚肉の輸入増加がその要因であるとして、連邦政府に対し豚肉輸入セーフガード措置の発動を要請していた。豪州連邦政府はこれを受けて昨年10月17日、WTOの定める手続きに基づき、豪州における豚肉輸入の増加が国内養豚産業に及ぼす影響について調査することを公表した。

 WTOは、不測の事態により豚肉輸入量が増加し、輸入国における養豚関連産業が深刻な打撃を受けた場合、輸入国が豚肉輸入セーフガード措置を講じられることを規定している。ただし、輸入国における指定機関が、豚肉輸入の増加と国内関連産業に及ぼす影響について調査を実施し、その結果、セーフガード措置の発動に正当性があることが立証されなければならない。PCは、豪州における指定機関として今回の調査を実施した。

 なお、PCは昨年12月、連邦政府に対しこの調査の予備報告を行い、今回の最終報告と同様に養豚経営の不振を豚肉輸入の増加によるものでなく飼料価格の高騰によるとし、暫定的な豚肉輸入セーフガード措置を講じるケースには当たらないとの見解を示していた。

養豚の経営の飼料穀物価格高騰に伴う生産コストの増加が主な要因

 PCは今回の報告で、豪州の養豚経営における最近の急激な収益性の低下は、飼料価格の高騰に伴う生産コストの増加が最も大きな要因であり、豚肉輸入の増加によるものでないこと。また、豚肉輸入量の増加にかかわりなく、消費者が豚肉価格の引き上げに対して敏感であることから、生産コストの増加分を小売価格に転嫁することは困難であることなどを指摘している。
 
 また、このほか、次の点について指摘している。
  • 豪州の養豚産業は、収益性の低下および入手困難で高水準の飼料穀物価格の状況に直面しており、この結果、生産コストが著しく上昇していること
  • 多くの養豚農家は、収益性が低下し経営赤字の状態にあり、その結果、繁殖メス豚頭数の減少や雇用水準の低下を招いており、この影響は2008年にも及ぶこと
  • 飼料穀物価格高は豪州特有の問題でなく、世界の家畜生産者の畜産物の取引を困難にしていること
  • 豪州の養豚関連産業における生産者および雇用者数は2005年以降減少しているが、養豚関連産業では、それ以上に規模拡大などの合理化が進んでいること
 DAFFのクリーン農相代行は、豪州の養豚農家が厳しい経営状況にあること、また、海外から補助金付きの安価な豚肉が輸入されていることについて、豚肉業界が不満を募らせていることを認識しているとした上で、今後は、業界団体の代表と会談し、今回のPCの報告書の内容について検討していくことを表明している。
【井田 俊二 平成20年4月7日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
Tel:03-3583-9535



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