NZ、中国とFTA締結、2018年までに関税撤廃
ニュージーランド(NZ)政府は4月7日、中国と自由貿易協定(FTA)に調印したことを発表した。これは同日、中国・北京を訪問しているNZのクラーク首相と中国の温家宝首相の立会いの下で行われたもの。今年10月1日からの施行を予定している。クラーク首相は調印後の記者会見の場で、今回の調印式が3年間で15回もの交渉を重ねてきた終着点であり、また、中国とFTAを締結した最初の先進国であると述べ、NZにとって大きな成果を上げたことを喜んだ。
今回の中国とのFTA締結により、2018年までの間に中国向け輸出品目の96%の関税が撤廃されることになり、NZは毎年、金額にして1億8千〜2億8千万米ドル(185億4千万〜288億4千万円:1米ドル=103円)の輸出拡大が期待できるとみている。また、中国との間で、ワーキングホリデー(最長1年間、異なった文化の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために付随的に就労することを認める特別な制度)枠の拡大や、医療、教育分野などの熟練労働者に対する柔軟な労働許可証の発給により、技術者などの人的移動についても今後、推し進めていくとしている。
NZにとって中国は、豪州、米国に次ぐ主要貿易相手国であり、今回のFTA締結で、最大の輸出品目である乳製品の輸出増が期待されている。NZの主要畜産物(牛肉、乳製品)に対する中国側の品目別関税率(年別)は次のとおり。
【牛肉】
現行の関税率は、冷凍枝肉(半丸を含む:関税分類番号02021000)が25%、その他は12%であるが、段階的に削減され、2016年の関税率は0%に
【乳製品】
粉乳類 |
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脱脂分乳(関税分類番号04021000)の関税率(現行10%)は、2019年に0%。全粉乳(同04022100)の関税率(同10%)は、2019年に0%
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バター |
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バター(同04051000)の関税率(同10%)は、2017年に0%。デイリースプレッド(同04052000)については、2012年に0% |
チーズ |
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フレッシュ(同04061000)、ハードタイプ(同04069000)、プロセスタイプ(04063000)の関税率(同12%)は、2017年に0%。その他製品(同04062000)については、2012年に0% |
【横田 徹 平成20年4月8日発】
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